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この映画語らせて!ズバッと評論!!(先取り版)『渇きと偽り』照り付ける暑い日差しが忘れていた記憶を呼び覚ます!!

この映画語らせて!ズバッと評論!!(先取り版)『渇きと偽り』照り付ける暑い日差しが忘れていた記憶を呼び覚ます!!

作品情報

メルボルンの連邦警察官アーロン・フォークは旧友であるルークの葬儀に参列するため、20年ぶりに故郷に帰ってきた。自ら命を絶つ前に自身の妻と子供を殺したとされるルークは、10年以上も干ばつが続き、狂気に襲われたこの土地の犠牲者だと思われていた。気が進まないながらも、町にとどまって捜査を行うことにしたフォークは、自身の古傷となっている、当時 17 歳のエリー・ディーコンの死に向き合うことになる。フォークは数十年も離れて起こった 2 つの犯罪はつながっているのではないかと疑う。ルークの無実だけでなく、自身の無罪を証明すべく奔走するフォークは、彼に向けられた偏見や、怯えた住人たちが抱える鬱屈とした怒りと戦うことになる。果たしてルークは本当に家族を殺したのか―。そして過去の未解決事件の犠牲者、エリーの死の真相とは……。

『渇きと偽り』レビュー

約1年も雨が降っていない故郷キエワラに旧友ルークの葬儀に戻ってきたアーロン。アーロンは逃げるように故郷を後にしているが、その理由というのが、過去に故郷で起きた少女エリーの事故死。その容疑者候補に挙がっていたのがアーロン自信でもあったからだ。

その事件は結局のところ証拠不十分で未解決となっているが、町の住人たちはアーロンが殺したと思っている者も多い。

その一方でアーロン自信は、ある疑念をもっていた。 それは旧友ルークがエリーを殺したのではないかということだ。今回の死因も自殺で、その前に家族を惨殺した疑いがかけられている。つまりもともと正気ではなく、サイコパスであったのではないかという疑念だ。

しかし、ルークの両親から真相を解明して欲しいと頼まれてしまったアーロンは、仕方なく捜査をするうちに、照りつける太陽の暑い日差しが、忘れていた、忘れようとしていたはずの過去をフラッシュバックさせながら、記憶の探求をしていく。

アーロンもルークを信用しきれていないだけに、エリーを殺した犯人の容疑を晴らすことになるのではないかという複雑な心境。

自分の過去に、強引にも向き合う機会を与えられてしまった現状に困惑しながら、アーロンを殺人者と思い込んでいるキエワラの住人たちにも聞き込みをしなければならないもどかしさ。

現在のルークの死因と、過去のエリーの死因……。2つの不可解な事件が交差していく。

フィルム・ノワールは明暗を強調するために、モノクロ的な色彩感が強かったりするが、今作は常に明るい場所で物語が展開される。それこそが一方の視点に偏った町の人々、そしてアーロンの疑念を表しているようでもあるのだ。

点数 80

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