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この映画語らせて!ズバッと評論!!『超伝合体ゴッドヒコザ』相変わらずおバカではあるが、味のある特撮作品として存在感を放つ!!

この映画語らせて!ズバッと評論!!『超伝合体ゴッドヒコザ』相変わらずおバカではあるが、味のある特撮作品として存在感を放つ!!

作品情報

愛知県幸田町の超宇宙科学研究所(UISAS:ウイサス)の研究員・大久保忠雄は、愛知県のヒーロー大久保彦左衛門の子孫であり、同級生の研究員・馬場貴穂とは互いに好意を抱いていた。ある日研究所に新人研究員・音無優里亜が入ってきた。忠雄は彼女に気を惹かれ、同僚の芳樹と恋の三角関係に発展する…。
そしてある日、忠雄と貴穂は本光寺の境内から発光する不思議なこけし人形を発見する。時を同じくして、チョウザメ怪人が現れ、町を襲った。忠雄と貴穂が無我夢中でこけしをかざすと、二人は合体し、こけし型ロボット(ゴッドヒコザ)の姿になり怪人を蹴散らす。江戸時代、大久保彦左衛門は邪悪宇宙人シャチホコーンに対抗するため、正義の宇宙人・ゴッドネス星人から与えられたこけし型からくり人形を使い戦ったのだった。いま、400年の時を超え、再びゴッドネス星人とシャチホコーンの因縁の対決が復活!果たしてゴッドヒコザは幸田町を、地球を救うことができるのか!?

『超伝合体ゴッドヒコザ』レビュー

近年の河崎実作品では最高傑作ではないだろうか…….。

河崎実といえば『タヌキ社長』や『コアラ課長』といった、おバカな映画ばかりを撮る日本のロジャー・コーマンやエド・ウッドのような監督だが、『ウルトラマンティガ』の脚本も手掛けたこともあるだけに、何気に特撮の人であり、特撮愛というのは、今までの作品の中でも盛り込まれていたりする。

全体を通して観ると、やっぱりおバカなんだけど、『ギララの逆襲/洞爺湖サミット危機一発』や『遊星王子2021』なんかも特撮愛が溢れていたりする。

今作は愛知県幸田町の町おこし映画というプレッシャーから、さすがに真面目に作ってある部分が多く、中間はあからさまに幸田市にある店舗や企業PRとして、実際の住所や電話番号が表示され、研究資金も実際にある信用金庫から調達するという、やり過ぎなほどに幸田推しパートが用意されているが、前後パートが”ちゃんと”特撮作品に仕上がっている。

河崎実のビデオ作品臭漂うチープ感も、ここでは60年~70年代にあったような特撮番組のチープ感として機能しているし、何よりデザインがソレっぽくて、そこに幸田市に伝わる歴史や土偶が発掘されたことなどを上手く作品の要素と絡めながら、見事に融合させている。シャチホコーンなんて見事なデザインだ。

意外と男女合体の特撮ヒーローというのが『ウルトラマンA』以来ではないだろうか。3人なら『トリプルファイター』『ウルトラマンR/B』や現在公開中の『劇場版 仮面ライダーリバイス バトルファミリア』に登場した仮面ライダー五十嵐もあるが、1対1は意外となかったのではないだろうか。

男女合体のアイテムがコケシというのは、明らかにバイブをイメージしている。だから必殺技が「ゴッドバイブレーション」だったり、イジリー岡田が出演していたりするのだろう。

真面目な作品に思わせておいて、しかもご当地ヒーローのコウタレンジャーも登場したりして、小さい子への目くばせもしていながら、エロも投入してくるのは河崎実ならではの冒険でもあるのだろう。

しかし、それに幸田町の人たちは気づいているのか……。

エロを投入してくるのは90年代の戦隊ヒーローでもあったりしたし、イジリー岡田も『テツワン探偵ロボタック』に出演していたわけだから、そこも意識していると思えば一周回ってさすがとしか言いようがない。

『エイリアン』のデザインだって生殖器なのだから、それと比べれば可愛いものだ。

点数 80

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