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この映画語らせて!ズバッと評論!!『島守の塔』お国のためなら自決するのが当たり前な時代の中で人命を優先した男の物語!!

この映画語らせて!ズバッと評論!!『島守の塔』お国のためなら自決するのが当たり前な時代の中で人命を優先した男の物語!!

作品情報

沖縄戦末期、本土より派遣された2人の内務官僚がいた。1人は学生野球の名プレーヤーとしてならし、戦中最後の沖縄県知事として沖縄に赴任した島田叡(あきら)。島田は、度重なる軍の要請を受け内務官僚としての職務を全うしようとする。しかし、戦禍が激しくなるにつれ、島田は県政のトップとして軍の論理を優先し、住民保護とは相反する戦意高揚へと向かわせていることに苦悩する。
そして、多くの住民の犠牲を目の当たりにした島田は「県民の命を守ることこそが自らの使命である」と決意する……。

『島守の塔』レビュー

去年公開されたTBSのドキュメンタリー映画『生きろ島田叡-戦中最後の沖縄県知事』という作品の中でも語られていた、県民の命を最優先にしていた沖縄県知事・島田叡と、周りの人々の物語を描いた作品である。

終戦間際の日本。小さい頃から「お国のために」と戦争教育を受けてきたことから、国が負けるぐらいなら、自決するという覚悟の者もいる中で、それが当たり前のような風潮の中で、県民の代表である県知事が、「正しい生き方はひとつではない」と、何より「人命」を優先させたのだ。

今でこそ当たり前のことかもしれなすが、当時リーダー各の人物が、国よりも人命、助かるためなら降伏も厭わないという姿勢でいたことが、いかにアウェーな立場であったか。

しかし、それでも屈しなかった彼の行動と理念は、周りを突き動かし、県民に希望も与えていたのは事実だ。

日本においては、戦争経験者がほとんど居なくなってしまった現代だからこそ、普通に生活ができて、家族が近くにいること、勉強ができること、遊べること…….。

そんな当たり前のことが当たり前じゃなかった時代、誰もが常に隣に死があった時代があったのだということを教訓として、二度と同じことを起こさないように、次の世代へと引き継いでいかなければならないからこそ、こういった反戦映画というのは、定期的に作られているのだろう。

点数 76

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