主演を務めるムロツヨシは、これまで話題の映画・舞台・ドラマなどに出演を重ね、ついに昨年『マイ・ダディ』で映画初主演を果たした。今作は待望の2作目の主演作品となると同時に、本作でメガホンを取る吉田恵輔監督作品への出演も『ヒメアノ〜ル』に続き2作目となる。唯一無二のキャラクターで熱烈な支持を集めるムロツヨシが、本作ではこれまでのイメージとは全く異なる狂気を見せる。共演は、主演映画『愛がなんだ』で話題を集め、今年は『やがて海へと届く』、『大河への道』、『ケイコ、目を澄ませて』と相次ぐ公開作品が続き、幅広い役柄を演じ分け、その高い演技力と柔軟性から今映画界で引っ張りだこの女
優、岸井ゆきの。本作では、明るく一生懸命なYouTuberとしての側面と、欲と憎悪に満ちた女性としての側面を見事に演じ分ける。そして、田母神と同じイベント会社に務める後輩・梅川役には若葉⻯也、有名YouTuber・チョレイ役に吉村界人、同じく有名YouTuber・カビゴン役に淡梨、新進気鋭のデザイナー・村上役に栁俊太郎、と若手急上昇中の若手俳優陣が総出演!それぞれがクセの強い業界人を好演している。前半のラブコメから一転、後半は狂気に満ちた愛憎劇となる激しい人間模様を描くのは、”人間の心理をえぐる⻤才”と称される�田恵輔監督。
吉田監督は、『ヒメアノ〜ル』、『BLUE/ブルー』、『空白』といった話題作で、人のリアルな心をあぶり出す独自の世界観を確立してきた。吉田監督書き下ろしのオリジナル作品となる本作では、さらなる進化を遂げた吉田監督の手腕が、YouTuberという天国と地獄が隣り合わせの世界で急転直下する人間関係を生々しく描写し、鑑賞者を激しい物語の中に一気に引き込んでいく。
主題歌を担当するのは、心に刺さる切ない歌声が特徴のボーカリスト・セツコと、ボーカロイドシーンでも活躍するコンポーザー・針原翼とkoyoriの3人で構成された、音楽ユニット・空白ごっこ。デビュー以来、若者世代から高い支持を集め、今年結成2周年を迎える空白ごっこが、初の映画主題歌「サンクチュアリ」と挿入歌「かみさま」を書き下ろした。
加速する時代で、“YouTuber”という職業を通して、今という時代を象徴的かつポップに描く一方、“欲”や“本音と建て前”、“嫉妬”といった人が誰しも持つ醜さや葛藤をも鮮烈に描いた、現代性と普遍性の両方を兼ね備えたエンタテインメント怪作が誕生。

監督曰く「これまでにないほど、緊張しない現場(笑)」
クランクインは2020年11月10日。東京近郊を中心に、和気藹々と撮影が行わ
れ、吉田監督曰く「これまでにないほど、緊張しない現場(笑)」だった。スケジ
ュールの都合から順撮りができないこともあり、ゆりちゃんの変貌を垣間見ることができるファミレスでの田母神とのシーンも、わずか1日で撮影されている。そんななか、吉田監督がいちばんこだわったのは、劇中に数回登場する田母神のセリフ「クソ天気いいな」に象徴される、天候の日取りと太陽の角度だった。それにより、本作の核となる“自撮り棒でのフェンシング対決”では、バカバカしいはずなのに、逆光の効果もあって、画が妙に美しいあまりに泣けてくるというギャップを生み出している。また、YouTubeの描写に関しては、BANされる規制の問題など、劇場公開までに、どのように変わるか分からないことを見据えた。そのため、あえて今っぽいことをやりすぎず、テクニック的には三段階のパターンで表現することに。また、ゆりちゃんのボディペインティングに関しては、「気になる女性が自分の知らないところで、あんなことをしていたら……?」という吉田監督が持つ男の嫉妬心を具現化することになった。そして、11月30日に無事クランクアップを迎えた。
遊び心たっぷりのオープニングに、キュンとする⻘春ソング
観客に「ナニコレ?」と思わせるための演出もあり、本編のファーストカットは
覆面YouTuber・マリオによる配信から始まるが、その前には配給会社であるPARCOのクレジット・ロゴが“YouTube広告”として表示されるなど、『犬猿』の予告編にも通じる、遊び心たっぷりのサプライズ・オープニングを用意。また、編集段階でカットするシーンが、ほとんどない吉田作品だが、本作に限ってはゆりちゃんのボディペインティング後、カラオケボックスでYouTuberキムニーにドッキリを仕掛けるシーンが全カット。田母神の微妙な心情を優先した理由からだが、現場でも大爆笑だったシーンだけに、ソフト化での映像特典収録も期待されるところだ。その後、編集された本編を、3人組音楽プロジェクト空白ごっこに観てもらい、主題歌を依頼。吉田監督が「キュンとする⻘春ソング」を要望したところ、メンバーは「サンクチュアリ」と「かみさま」という対照的な2曲を制作した。どちらも気に入った吉田監督は、田母神とゆりちゃんの距離が縮まっていく点描で流れる挿入歌で「かみさま」を、さまざまな余韻が残るエンドロールの主題歌として「サンクチュアリ」を使用することになった。
YouTuberに対するリスペクト
「自分が愛せるほど、可愛らしい作品になった。誰が喜んでくれるか分からない
けれど……(笑)」と語る吉田監督。「以前はYouTubeに対して、多少なりとも偏
見があったが、それは映画が世に出てきたときの舞台人の反応にも似ているかもしれない。自分も時代の移り変わりとともに、どこか取り残された感覚を持っているから」とも語る吉田監督は、YouTuberに対するリスペクトを込めて、ゆりちゃんのファンがサイン会で発する「残るものって、そんなに偉いんですか?」というセリフを書いたという。「残すのではなく、あくまでも人を楽しませるのがエンタテイメントの真意。『神は見返りを求める』を通じて、そういった新しい感性を共有しなきゃいけないし、自分も映像作家として、歴史に名を残す映画にしがみつくのではなく、もうちょっと考えを柔軟にしなきゃいけないことに気づかされました」

出演:ムロツヨシ 岸井ゆきの
若葉竜也 吉村界人 淡梨 栁俊太郎
田村健太郎 中山求一郎 廣瀬祐樹 下川恭平 前原滉
監督・脚本:𠮷田恵輔
主題歌:空白ごっこ「サンクチュアリ」 挿入歌:空白ごっこ「かみさま」(ポニーキャニオン) 音楽:佐藤望
企画:石田雄治 プロデューサー:柴原祐一 花田聖
撮影:志田貴之 照明:疋田淳 録音:鈴木健太郎 美術:中川理仁 装飾:畠山和久 編集:田巻源太 VFXスーパーバイザー:白石哲也
衣裳:松本紗矢子 ヘアメイク:杉山裕美子 スクリプター:増子さおり 音響効果:渋谷圭介 キャスティング:川口真五 助監督:松倉大夏 制作担当:森田勝政
音楽プロデューサー:杉田寿宏 ラインプロデューサー:島根淳 宣伝プロデューサー:宇佐美梓
配給:パルコ 宣伝:FINOR 制作プロダクション:ダブ
©2022「神は見返りを求める」製作委員会
■公式サイト:kami-mikaeri.com ■Twitter:@MikaeriKami
6月24日(金)TOHOシネマズ 日比谷、渋谷シネクイント 他全国公開!

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