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この映画語らせて!ズバッと評論!!『峠 最後のサムライ』新たな日本を誰より見たかった男の最後の悪あがき!!

この映画語らせて!ズバッと評論!!『峠 最後のサムライ』新たな日本を誰より見たかった男の最後の悪あがき!!

作品情報

慶応3年(1867年)、大政奉還。260年余りに及んだ徳川幕府は終焉を迎え、諸藩は東軍と西軍に二分していく。 慶応4年、鳥羽・伏見の戦いを皮切りに戊辰戦争が勃発した。越後の小藩、長岡藩の家老・河井継之助は、東軍・西軍いずれにも属さない、武装中立を目指す。戦うことが当たり前となっていた武士の時代、民の暮らしを守るために、戦争を避けようとしたのだ。 だが、和平を願って臨んだ談判は決裂。継之助は徳川譜代の大名として義を貫き、西軍と砲火を交えるという決断を下す。 妻を愛し、国を想い、戦の無い世を願った継之助の、最後の戦いが始まった……。

『峠 最後のサムライ』レビュー

侍の世が終わりを告げようとする時代。そんな空気感を誰よりも敏感に感じ、新たな日本の夜明けを見据えていた河井継之助。

そんなの継之助視点から描く、激変の日本。

西洋文化を柔軟に受け入れてきた男が、その想いとは裏腹に、自分の侍としての立場が邪魔をする。誰よりも新たな日本の姿を見たかった男が、それが叶わぬ方向に向かっていってしまうもどかしさと、葛藤をじわじわと描いた人間ドラマ。

そのため、侍のチャンバラ映画だと思って観ると失敗する作品だ。

日本を代表する新旧役者陣の緊迫感のある掛け合いという点においては、十分に見応えはあるのだが、チャンバラがないというのも合わせて、全体的に地味な画が続くため、エンターテイメントとしての見応えは全くない。

若い世代の心を打つような要素は皆無であるし、こういった時代劇でありながらチャンバラの少ないドラマ重視作品を好む層というのがいなくなっているのが現状。

そんな需要の変化が、皮肉なことにタイトル同様、最後に向かっているような気がしてならない……。

映画としての構成は破綻しているため、歴史好きという人が辛うじて楽しめるか……といったところだ。

役所広司 松たか子 香川京子 田中泯 永山絢斗 / 芳根京子 坂東龍汰 榎木孝明 渡辺大 AKIRA / 東出昌大 佐々木蔵之介 井川比佐志 山本學 吉岡秀隆 / 仲代達矢 監督・脚本:小泉堯史  

点数 72

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