ラジオ番組「バフィーの映画な話」Spotifyなどで毎週配信中!!

この映画語らせて!ズバッと評論!!(先取り版)『わたしは最悪。』ただ、本能のままに突き進んだだけ……それって最悪ですか?

この映画語らせて!ズバッと評論!!(先取り版)『わたしは最悪。』ただ、本能のままに突き進んだだけ……それって最悪ですか?

作品情報

アート系に才能のきらめきを見せながら、「これしかない!」という決定的な道が見つからず、いまだ人生の脇役のような気分のユリヤ。そんな彼女にグラフィックノベル作家として成功した年上の恋人アクセルは、妻や母といったポジションを勧めてくる。ある夜、招待されていないパーティに紛れ込んだユリヤは、若くて魅力的なアイヴィンに出会う。新たな恋の勢いに乗って、ユリヤは今度こそ人生の主役に躍り出ようとするのだが──。

『わたしは最悪。』レビュー

© 2021 OSLO PICTURES – MK PRODUCTIONS – FILM I VÄST – SNOWGLOBE – B-Reel – ARTE FRANCE CINEMA

「わたしは最悪。」というタイトルを聞いて、どんな最悪な人間の物語かと思うかもしれないが、ただ自由に、自分の思う方向に突き進んだ女性の物語である。

男性の場合は、自由に生きることは許される社会なのに、女性が自由に生きようとすると、結婚して子育てしないで生きることが、最悪とまでは言わないかもしれないが、イレギュラーな人間と思われてしまう風潮にある。

これも必ずしもそうとは限らないが、風潮的だったり、社会からの目的なことをいえば、浮気であっても男性り場合は許されるのに、女性の場合は許されない。

ただ本能のままに、ただ自由に生きただけなのに……そんな社会からの女性の見え方、見られ方を捉えた邦題となっている。

人生の中の選択によって、それなりの幸せな生活ができたかもしれない。家族が作れたチャンスもあった。しかし、彼女は自分の本能と直感を信じ、素直に生きただけ。結果的なそれが誰かを傷つけ、不幸になる人がいたとしても。

人間というのは、群れる生き物でもありなら、同時に個々の生き物でもある。他社のことを考えないで自分のために突き進むことが、果たして「最悪」なことなのだろうか……。

そんな究極の問いを、全編を通して訴えかけてくる。だからこそ、観る人にとっては身勝手な女性だと思うかもしれないし、一方では自由に生きて何が悪いと思うかもしれない。

観る人にとって、価値観が真っ二つに分かれるだろうが、それこそが人間というもの。すごくシンプルな物語でもあるのだ。

点数 80

© 2021 OSLO PICTURES – MK PRODUCTIONS – FILM I VÄST – SNOWGLOBE – B-Reel – ARTE FRANCE CINEMA

この映画語らせて!ズバッと評論!!カテゴリの最新記事