作品情報
移民増加が深刻な社会問題となったアメリカ。政府は対策として、12 時間だけ殺人を含むすべての犯罪が合法になる“パージ”を復活させる。命からがら恐怖の一夜をやり過ごした人々だったが、“パージ”に乗じて人種差別主義の過激派組織が暴走。終わりのない“無限パージ”へ突入し、アメリカ全土が無法地帯と化してしまう。崩壊寸前のアメリカを援助するため、メキシコ政府は6 時間に限り国境解放を宣言。メキシコからの移民のアデラとホアン夫婦は雇い主の一家と国境を目指すが、道中で出くわした過激派の一団に追われてしまう。果たして彼らは極限の恐怖から生き延び、タイムリミットまでにアメリカを脱出することができるのか……。
『フォーエバー・パージ』レビュー
まさかイーサン・ホーク主演の1作目のテイストから、ここまで長寿シリーズとなるとは誰が予想しただろうか……。一応、今回が最終作らしいが、到底信用できない。
そんなパージも今回は移民問題に着手。今のアメリカを映し出しているとか、政治的なものを表現したかったのだろうが、割とシンプル。
今まで散々やってきた説得力の全くない、中途半端な政治劇をそぎ落としたことで、シンプルなアクション映画になっているが、シンプル過ぎるが故に、シューティングゲームの画面を見ているような感覚になるほど。
麻薬カルテル、人身売買など、極端に治安の悪いメキシコ。今までにもそんな悲惨な状況を描いたドラマや映画が多く制作されてきた。
そんなメキシコから、アメリカに逃げてきた移民の夫婦とその知人だったが、「パージ」という理不尽極まりないゲームだけが気がかり、何とか乗り切った主人公たちだが、ついにパージのルールを無視しはじめた輩たちによる無限パージがスタート。逆に今までみんな素直にルール守っていたのだと改めて思った。
無限パージによって、アメリカよりも、まだメキシコの方がマシじゃないか!!となったことで、メキシコに逆戻りする中で、険悪だった雇い主の白人家族とのわだかまりも薄れ、一緒に苦行を乗り越えた同士として友情が芽生えていく過程は、妙な感動をよぶ。
「パージ」シリーズって、ゲームにしたらおもしろそうなのに、意外とゲーム化されてない……。
点数 79
監督:エヴェラルド・ヴァレリオ・ゴウト
脚本:ジェームズ・デモナコ
出演:アナ・デ・ラ・レゲラ、テノッチ・ウエルタ、キャシディ・フリーマン、レヴェン・ランビン、ジョッシュ・ルーカス、ウィル・パットンほか
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