作品情報
『Mommy マミー』『たかが世界の終わり』などで高い評価を得ているカナダ出身の若き俊英グザビエ・ドランが、初めて挑んだ英語作品。2006年、ニューヨーク。人気俳優のジョン・F・ドノヴァンが29歳の若さでこの世を去る。自殺か事故か、あるいは事件か、謎に包まれた死の真相について、鍵を握っていたのは11歳の少年ルパート・ターナーだった。10年後、新進俳優として注目される存在となっていたルパートは、ジョンと交わしていた100通以上の手紙を1冊の本として出版。さらには、著名なジャーナリストの取材を受けて、すべてを明らかにすると宣言するのだが……。物語は、ドランが幼いころ、憧れていたレオナルド・ディカプリオに手紙を送ったという自身の経験から着想を得た。出演は『ゲーム・オブ・スローンズ』のキット・ハリントン、『ルーム』のジェイコブ・トレンブレイをはじめ、ナタリー・ポートマン、スーザン・サランドン、キャシー・ベイツら豪華実力派がそろった。
Buffys Movieの注目ポイント
『Mommy/マミー』『たかが世界のおわり』などで知られ、俳優としても活躍する監督グザヴィエ・ドランの2018年の作品がついに日本公開される。
ジョン・F・ドノヴァンという人物は、実在していないが、若くして亡くなってしまった俳優は『ダークナイト』『Dr.パルナサスの鏡』のヒース・レジャー、『ゴールデンボーイ』『ジャケット』のブラッド・レンフロ、『リトル・ニキータ』『スタンド・バイ・ミー』のリヴァー・フェニックスなど… 多く存在している。
特定のモデルはいなくても、監督自身が俳優としても活躍する中での苦悩などを反映させつつ、若くして亡くなった俳優の心境を描き出していく。
ジョン・F・ドノヴァンを演じるのは、『ゲーム・オブ・スローンズ』のジョン・スノウ役で知られるキット・ハリントン。
俳優として、人間としての苦悩や葛藤を第三者の視点と少年に対してだから話せたことを綴った手紙を通して描いていくことで、真実と想像、光と影のギャップを浮き彫りにしていくというテイストの作品を何故、監督が思いついたかというと、監督自身が8歳のときに『タイタニック』に出演したレオナルド・ディカプリオにファンレターを書いたという実体験があるからなのだ。
『ルーム』『ワンダー 君は太陽』のジェイコブ・トレンブレイが演じるルパートのモデルは、監督自身であったのだ。
監督のデビュー作『マイ・マザー』から、描き続けてきた「母と息子」というテーマや秘めた心の中にある光と影は今作でも健在であり、キャシー・ベイツやスーザン・サランドン、ナタリー・ポートマンといった実力派俳優たちが脇を固めることで、より重圧な人間ドラマを作り上げているのだ。
また過去の作品からもわかる通り、映像センスや音楽の使い方が、斬新でありながら、しっかりとアートに仕上がっている魅力的な映像美は今回も健在。2015年には、映像センスが認められ、アデルのミュージック・ビデオも手掛けていて、今作にもカメオ出演としてアデルが登場する。
着想から10年の時を経て挑んだ初英語映画監督作品にして、グザヴィエ・ドランの集大成ともいえる『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』を観ないという選択肢はないだろう。
『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』 は、2020年3月13日より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかで公開予
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