
作品情報
アカデミー賞を受賞したリース・ウィザースプーン、エミー賞受賞のジェニファー・アニストンが主演、現代の職場のリアルを大胆かつ赤裸々に描くドラマ『ザ・モーニングショー』。朝のニュース番組の幕が上がる。
『ザ・モーニングショー:シーズン2』レビュー

新型コロナの影響で、製作が大幅に遅れたのは、映画だけではなく、ドラマも同様ではあるが、今作はワイドショーを扱っていることもあって、そんな新型コロナの波をリアルに取り入れている。
セクハラ、SNSの誹謗中傷、白人至上主義、男性優位主義、人種差別、配信サービスへの移行問題、LGBTQをトレンドのように扱う風潮などなど、コングロマリットの下層に位置するテレビ局が抱える山積みの問題が、ハイスピードで次々と巻き起こる中で発生する新型コロナのパンデミック。
シーズン1のメイントピックだった、ミッチ・ケスラー(スティーヴ・カレル)のセクハラ問題や、それにまつわる暴露本などの問題も、全く解決されておらず、並行してどう処理していくべきかを常に問われていく。
アレックス(ジェニファー・アニストン)の心情、ブラッドリー(リース・ウィザースプーン)の心情、ミッチの心情。そして今シーズンから登場する、『ER』『グッド・ワイフ』などに出演し、エミー賞に10回ノミネート(内3回受賞)のベテランテレビ女優ジュリアナ・マルグリーズ演じるローラの心情が、巧妙にまでに交差する、サスペンスフルな展開から目が離せない。
テレビ局だけではなく、国民の誰もが、未知の新型コロナというものをどう扱ったらいいかが分からず、不安で仕方がない様子がメタ的にリンクしていて、トム・ハンクスとリタ・ウィルソンがコロナに感染したという、実際にあったこともそのままネタとして扱われている。
一部ドラマチックな演出や誇張があるとはいっても、ファンタジーやフィクションでは決してない、リアルなテレビ局の世界。
そして、アレックスがコロナに感染し、テレビ局はパニック状態。リモートでの番組配信など、今まで常識して認識していたものが覆され、全てが手探り状態。これは、今私たちの世界に、今正に起きているものである。
ここからテレビ局が、どう再建していくか、コロナとどう付き合っていくかなど、課題は尽きない。悪い言い方をすれば、ネタだらけなこの世界をシーズン3ではどう描くつもりのだろうか……かなり気になる!!

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