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テレビっ子だっていいじゃない!第2回『タイガーマスク』

テレビっ子だっていいじゃない!第2回『タイガーマスク』

映画ばかり紹介していますが、実はテレビ番組も大量に観てきている超テレビっ子なんです。そんな超テレビっ子である私が独自の視点と独断と偏見でテレビ作品を紹介する新企画「テレビっ子だっていいじゃない!」

昼ドラやゴールデンタイムドラマに関しては、また別企画で語りたいと思うので、この企画では特撮とアニメに絞って紹介していきます。

第2回目は『タイガーマスク』

『巨人の星』『キックの鬼』などスポコン漫画の原作者として知られる梶原一騎による傑作プロレス漫画を1969年にアニメ化した『タイガーマスク』を紹介します。

個人的には、特別プロレスが好きというわけでもないのだが、それでも楽しめる要素の多い作品であって、正当なプロレスものというよりは、『キン肉マン』に近いというか、おそらく『キン肉マン』の原型となっている。

『キン肉マン』というのは、元々は『ウルトラマン』のパロディ漫画としてスタートした作品であったが、徐々にプロレスタイプのアクション漫画路線に変更されていったもので、様々なデザインの超人たちが戦う構図の原型となったのは、おそらく『タイガーマスク』であろう。

タイガーマスクというのは、孤児院「ちびっこハウス」で育った伊達直人が「虎の穴」という極悪非道なプロレスラー要請組織?で鍛えられた後、プロレスラーとしてデビューするものの、ちにかく勝てばいいという精神で卑劣極まりない反則の限りを尽くし、そのファイトマネーの何割かを自分の育った孤児院に寄付していた。

ある日、ついに孤児院の運営が難しいほど金銭的に困難になったことから、虎の穴に払うはずのファイトマネーを踏み倒して、孤児院を助けたことがきっかけで「虎の穴」の刺客たちがタイガーマスクを抹殺にやってくるという様にストーリーが展開されていく。

タイガーマスクは、今まで通り反則をしながら「虎の穴」の刺客たちを倒していき、子供たちのヒーローとなっていくが、反則の限りを尽くすファイトスタイルからプロレス団体や世間は当然ながら良い印象をもっていない。

ジャイアント馬場やアントニオ猪木など実名のプロレスラーも多数登場してタイガーマスクを正当なレスラーにさせようと奮闘するものの、タイガーマスクは「虎の穴」のトレーニングが体に染みついていて、タイガーマスクは子供たちのためにも正当なレスラーに生まれ変わりたいと思うようになるが、反則を条件反射的にしてしまう…親がいなくて育った自分自身の境遇やトラウマによっても、気持ちが揺らぐという葛藤が描かれているのは、このアニメの最も魅力的な部分である。

個性的すぎる刺客たちは、突っ込みどころ満載だったり、タイガーマスクを支える人たちの暖かさなど魅力的な部分は他にもたくさんある作品ではあるが、最も印象的だったのは、やはり最終回。

「虎の穴」のボスとして現れたタイガー・ザ・グレートとついに対決することになったタイガーマスクは、はじめはフェアプレイで戦うものの、圧倒的な強さと反則の限りを尽くすグレートに歯がたたず、ついにマスクを取られてしまう…その後が凄い!!

マスクを剥がされた直人は、笑いながらな涙を流し、反則の限りでグレートに反撃し、ついには殺してしまう…

テレビを観ていた孤児院の子供たちはタイガーマスクの正体への驚きと血だらけの反則攻撃によって、「すごい反則だ…」と圧倒されてしまう。

自分が子供たちに見せてきたフェアプレイでは、倒せないし、逆に殺されてしまう…しかし、虎の穴がこのまま存在していれば、自分と同じような被害者や悪の連鎖ほ生み出してしまうという葛藤と末…直人は反則でもいいから「虎の穴」を壊滅させる道を選ぶという重すぎる選択はアニメであることを忘れてしまうぐらいの重圧な人間ドラマを観ているようだった。

私は、リアルタイムな放送当時は生まれてもいなかったし、中学生のときにスカパーで観たのだが、この最終回の衝撃は今でも忘れていない。

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