フランス映画『エール!』のリメイク作『コーダ あいのうた』を製作するうえで、オリジナル同様に困難を極めたのが、キャスティングだった。
最も困難だったのが、主人公ルビーを演じる若い役者を見つけることだ。ルビーは魅力的な歌声と共に、流暢な手話ができることが必須となること。そして若いながらも、家族に対して責任感を感じ、年齢以上に成熟した雰囲気を醸し出すことが求められた。
歌唱力も、合唱部の先生に才能を見出されるという流れに説得力をもたせる必要があった。どれが欠けてもルビーというキャラクターを構築することが不可能となる中で、見出されたのがエミリア・ジョーンズだ。
エミリアは、個性的な歌唱力をもち、手話は素人だったが、Netflix映画『フィール・ザ・ビート』や『シェイプ・オブ・ウォーター』でも、手話の講師を務めたアンセルモ・デソウザのもとで、ASL( American Sign Language )とろう文化の勉強に取り組み、自分のものにしていった。
リアリティを求めることからも、耳の聞こえない家族の役には、マーリー・マトリンやダニエル・デュランドといった、実際に聴覚障がいのある俳優をキャスティングしている。
そのためエミリアの手話が不完全であれば、意思疎通も演技も成り立たない。まさにエミリアの存在があったからこそ、完成できた作品とも言えるのだ。
監督・脚本:シアン・ヘダー
出演:エミリア・ジョーンズ「ロック&キー」、フェルディア・ウォルシュ=ピーロ『シング・ストリート』、マーリー・マトリン『愛は静けさの中に』、トロイ・コッツアー
原題:CODA|2021年|アメリカ|カラー|ビスタ|5.1chデジタル|112分
字幕翻訳:古田由紀子|PG12 配給:ギャガ GAGA★
(C) 2020 VENDOME PICTURES LLC, PATHE FILMS
公式HP:gaga.ne.jp/coda
1/21(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー!ほか全国順次ロードショー
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