
イントロダクション・ストーリー
世界でただ1人、バンパイアと戦う使命の元に生まれたバンパイア・スレイヤー。ロサンゼルスに住むバッフィは、チアリーダーで週末はモールでショッピングをするような、一般的な女子校生。自分がバンパイア・スレイヤーだとも知らずに普通の日常をおくっていたバッフィのもとに謎の男メリックが現れ、突然バッフィに運命を告げるのだった……。のちに『バフィー 〜恋する十字架〜』(『吸血キラー 聖少女バフィー』)として、続編がドラマ化されることになるプロローグ的作品としてもカルトな人気を誇っている作品。ベン・アフレックやヒラリー・スワンクといった、今では有名になった俳優たちの初々しい演技にも注目!!
スタッフ・キャスト
監督 :フラン・ルーベル・クズイ『地球で最後のふたり』『17 セブンティーン』
脚本 : ジョス・ウェドン『バフィー 〜恋する十字架〜』『アベンジャーズ』『キャビン』
出演 :クリスティ・スワンソン『マネキン2』『ホット・ショット』
ルーク・ペリー『リバーデイル』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
ドナルド・サザーランド『プライドと偏見』『アド・アストラ』
ルトガー・ハウアー『シン・シティ』『バットマン ビギンズ』
ヒラリー・スワンク『ブラック・ダリア』『P.S. アイラヴユー』
デヴィッド・アークエイト『スクリーム』『スプリー』
キャンディ・クラーク『ゾディアック』『ダイアン・キートン/可愛い女』
ダイアモンド☆ユカイ『ロスト・イン・トランスレーション』
サッシャ・ジェイソン『ハロウィン 4 ブギーマン復活』
クレジット
製作 :ハワード・ローゼンマン
撮影 : ジェームズ・ヘイマン
音楽 : カーター・バーウェル
1992年/アメリカ/カラー/86分
短評
ジョス・ウェドンの出世作にして、人気ドラマ『バフィー 〜恋する十字架〜』の原点。この映画がなければ、ドラマシリーズもなかったかもしれない。
ドラマとは直接的には繋がっていないが、いくつか共通点もあり、感覚的には繋がる点もある。
舞台はロサンゼルス。チアリーダーのバッフィは、普通の女子高生だが、どちらかというとスクールカースト上層部グループに属した存在である。男とデートして、モールでショッピングを楽しんでいる。
そんなバッフィの日常が、バンパイアの出現、そしてメリックという謎の男の登場によって、自分が世界に唯一のバンパイア・スレイヤーであることを知り、一変してしまう。
ホラー映画ですぐに殺されてしまうような、女子校生が実は強かったら……というコンセプトに作られただけあって、運命を受け入れるかどうかの葛藤が描かれていて、その過程は、思春期の将来への不安や覚悟といったものの、メタファーとしても機能しているのだ。
時代だけのことはあって、バンパイアメイクや衣装、戦闘シーンのチープさは何とも言い難い部分はあるが、そういった反省点はドラマ版に活かされており、例えばバンパイアを殺した際に死体がそのまま残った状態になっていて、非常に画的に邪魔だったものが、ドラマ版では灰になる演出にされたことでスマートになっていた点などが挙げられる。
若き日のヒラリー・スワンクも出演しており、のちに『P.S. アイラヴユー』の中で、唐突に「やってみたい職業」としてバンパイア・スレイヤーというネタが盛り込まれているが、これは『バフィー 〜恋する十字架〜』を好きなスタッフがヒラリー・スワンクと今作を関連付けた、お遊びネタである。
ちなみにスパイク役のジェームズ・マースターズも出演しているだけに、バフィー好きスタッフによるものであることは間違いないだろう。
また今作に登場する、ルーク・ペリー演じるパイクというキャラクターは、ドラマ版シーズン2の第3話「ダイハード・スクール」から登場するスパイクの原型にあるキャラクターのようにも感じられる。
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