作品情報
ガーディアン賞、カーネギー賞など、数々の名立たる文学賞を制するパトリック・ネスの傑作SF小説を映画化。監督は大ヒットメーカーのダグ・リーマン。主演は英国からハリウッドへ進出し、今や世界中から愛されているトム・ホランド。共演は『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』でスターダムを駆け上がったデイジー・リドリーと、21世紀を代表する名優マッツ・ミケルセン。その他、『ゴジラvsコング』のデミアン・ビチル、『ハリエット』でアカデミー賞®にノミネートされたシンシア・エリヴォ、『ミッドウェイ』のニック・ジョナス、『グローリー/明日への行進』でゴールデン・グローブ賞にノミネートされたデヴィッド・オイェロウォと実力派が集結。巨大宇宙船、エイリアンとの戦い、謎に満ちた星──壮大なスケールと映画史上初の設定によるエキサイティングなストーリーで、映画ファンを驚愕と歓喜の〈ニュー・ワールド〉へと連れ去る、新感覚SFエンターテイメント!
『カオス・ウォーキング』レビュー
考えていることがオーラのように出てきてしまう、男全員「サトラレ」状態になっている不思議な設定のSF映画。
考えてることがわるという設定もそうだが、エイリアンや巨大宇宙船など、謎設定が多く、SFファンタジーというのは便利なものであって、何でもありな状態であることから、新たな設定が出てきても、想像の範囲内であろうと、範囲外であろうと、興味がもてなくなってしまうことは難点。
いかに要点をまとめることが、物語構築に必要不可欠なものなのかを痛感するのだが、考えていることがわかってしまうのは、男だけという設定が、かろうじてコミカル路線のおもしさを維持することに成功している。
男が考えることなど単純という、皮肉が入っているのかどうかはわからないが、頭の中がわかってしまうことが、これほど不便なことなのか……と常に思わされる作品。
主人公も考えていることがバレないように、自分の名前を連呼して誤魔化そうとするが、常識的に考えて、頭の中で自分の名前を連呼するような人間などおらず、すぐに嘘を言っていることがわかってしまう下りが何度もあって、SFによって誇張されているものの、正直になることが人間にとって、不利益であることに違いないという全体を通しての皮肉を諄いほど感じる。
全6作もあるパトリック・ネスのヤング・アダルト小説の「カオス・ウォーキング」シリーズの1作「心のナイフ」を原作としているため、今作のみでは謎だらけで完結しないし、続きも作る気があるのかないのか不明な状態だが、続きを観たいと思わせる作品ではなかった……
点数 77
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