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THE映画紹介『ブラック・ダリア』

THE映画紹介とは?

THE映画紹介とは…劇場公開中には観れなかったもの、公開中に観たんだけれども…レビューする前にリリースされてしまったもの、単純に旧作と言われるものを独自の偏見と趣味嗜好強めに紹介するもの。

アメリカ映画、インド映画、ドイツ映画、アジア映画、アニメ、ドキュメンタリー….なんでもあり!!

今回紹介するのは『ブラック・ダリア』

作品情報

ジェームズ・エルロイによる“暗黒のLA4部作”の第1作を「アンタッチャブル」「殺しのドレス」のブライアン・デ・パルマが映画化。1947年、ロサンゼルス郊外の空き地で身体の腰から下が切断されている黒づくめの女性の死体が見つかる。後に「ブラック・ダリア事件」と呼ばれたこの事件に2人の刑事が取り憑かれていく……。

『ブラック・ダリア』基本情報

2006年製作/121分/アメリカ
原題:The Black Dahlia

監督: ブライアン・デ・パルマ

出演: ジョシュ・ハートネット、アーロン・エッカート、スカーレット・ヨハンソン、ヒラリー・スワンクほか

アメリカの名作家ジェイムズ・エルロイの「暗黒のL.A.」

『ザ・コップ』『ブラウンズ・レクイエム』など映画化された作品も多い、アメリカの小説家ジェイムズ・エルロイがロサンゼルスを舞台とした「暗黒のL.A.」4部作の1作目となるのが今作の原作となる「ブラック・ダリア」である。

3作目の『L.A.コンフデンシャル』も1997年にカーティス・ハンソンの手によって、映画化された。キャラクターに共通性のある者もいるが、直接的繋がりはないため、4部作といっても独立した作品として完結している。

世界でいちばん有名な死体

「ブラック・ダリア」の元となる「ブラック・ダリア事件」は1947年1月15日の朝に発見された娼婦エリザベス・ショートの全裸の死体で、胴体は真っ二つになっていたという狂気性に満ちたもの。今もアメリカを代表する未解決事件となっており、「世界でいちばん有名な死体」とも呼ばれている。

『アメリカン・ホラー・ストーリー』シーズン1のエピソードの中でも、ブラック・ダリアが登場する。近年では『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』の中でピーターがMJにブラック・ダリアのペンダントをプレゼントした際に殺人事件を連想するというシーンもあった。今でもこの未解決猟奇殺人に着想を得ている作品は多い。

エリザベス・ショートの死体が「ブラック・ダリア」と呼ばれるようになったのは、エリザベス・ショートは女優を目指しており、アラン・ラッド主演の1946年の映画「ブルー・ダリア」(日本では『青い戦慄』というタイトルで公開された)を真似て黒い衣装ばかり着ていたことから由来する。

デヴィッド・フィンチャーで進行していた企画

当初は『セブン』や『ゲーム』『ゾディアック』などの猟奇殺人を扱った作品を多く手掛けているデヴィッド・フィンチャーによって映画化される予定であった。脚本家のジョシュ・フリードマンも当初はその予定で脚本を書いていたのだ。

デヴィッド・フィンチャーは多忙であったため、脚本は彼の手を離れてしまう。フィンチャーは3時間半の全編モノクロ映画にしようとしていたのだ。そのため、なかなか実現には至らず、脚本は次第にフィンチャーの手を離れていってしまうが、次に手にしたのがブライアン・デ・パルマであった。

トランペットが印象的な音楽

デ・パルマは今作には悲しげなトランペットがつきものであると考えた。そこで音楽を担当したのは、トランペット奏者としても有名であり、『クイズ・ショウ』『運命の逆転』などの音楽を手掛け、『リバー・ランズ・スルー・イット』ではアカデミー作曲賞にノミネートされたマーク・アイシャムであった。

デ・パルマはマークが作り上げた音楽を絶賛し、その音色はバッキーの声のようだったとコメントしている。

伏線となる映画『笑う男』

今作では、第92回アカデミー賞ではホアキン・フェニックスが主演男優賞を受賞した『ジョーカー』に登場するバットマンの宿敵ジョーカーの元ネタとされる、1928年の映画『笑う男』(『笑ふ男』)が印象的に引用されている。

リーとバッキーとケイが映画館で観ている映画は『笑う男』だが、このシーンはリンスコット家にピエロの絵があることやクライマックスで判明する事実の伏線となっているどころか、独自の解釈をみせる「ブラック・ダリア事件」の真相を知る上で必要不可欠なものとなっている。

短評

今作は署内でミスター・ファイア、ミスター・アイスと呼ばれるほどの名刑事コンビで親友でもあったリーとバッキーが「ブラック・ダリア事件」に関わったことによって、翻弄され、次第に中毒かのように事件に執着していくことで、周りも巻き込んでいくというサスペンス・ノワール。

もともと担当していた事件をほったらかしにして。「ブラック・ダリア事件」にのめり込み過ぎているリーに不信感を抱いていくバッキーだが、自分も知らないうちにブラック・ダリアの影が付きまとうようになってしまうという、心情の変化を語らずにカメラワークや演出で自然にみせていくという手法は、正に天才デ・パルマと言うべきだろう。

「ブラック・ダリア事件」自体が未解決事件であるため、真実に向かうことよりも周りのドラマ性を強調した作風であるとは思っていたが、今作では「ブラック・ダリア事件」については決着をつけている。

伏線の張り方も実に巧妙であり、中でもクラシック映画好きであれば、数々の映画の引用の仕方に思わず息をのむであろう。

ブライアン・デ・パルマの芸術的カメラワークや手法によって、アートのようなシーンの数々が印象を残す作品であるが、ケイを演じるスカーレット・ヨハンソンの存在はこの映画で欠かすことができない。スカーレットのもつクラシカルな雰囲気は今作の1940年代という時代背景や世界観にしっかりと溶け込んでおり、どのシーンも印象深いものとしている。

ただ、劇中でヒラリー・スワンク演じるマデリンは、「ブラック・ダリア」ことエリザベス・ショートに似ているとされているが…衣装が黒いことぐらいしか、似ていないと思うのは私だけだろうか…当時からそこがどうしても引っかかっていた。

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