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この映画語らせて!ズバッと評論!!(先取り版)『再会の奈良』中国残留孤児を扱ったドキュメンタリー的側面もあるゆるいロードムービー!!

この映画語らせて!ズバッと評論!!(先取り版)『再会の奈良』中国残留孤児を扱ったドキュメンタリー的側面もあるゆるいロードムービー!!

作品情報

今後の活躍が期待される若手の映画監督がメガホンを取り、奈良を舞台にした映画を撮影、それを世界へ発信するという、なら国際映画祭プロジェクト「NARAtive(ナラティブ)」の2020年作品。 河瀨直美×新進気鋭中国人ポンフェイ監督が奈良県御所市を舞台に『再会の奈良』を製作。 メインキャストは國村隼。

『再会の奈良』レビュー

2020年の東京国際映画祭で上映された作品が1年以上の期間を経て一般公開が決定!!

監督を務めるポンフェイは今回が長編としては今作が3作目となり、1作目から起用し続けるイン・ズーが引き続き主演を務めた。

中国残留孤児を引き取り育てたが、日本に本当の親を求めて帰国。その後の消息がわからなくなってしまった、血の繋がらない女を訪ねて来日する祖母に付き添って、自分にとっては義理の叔母にあたる相手を探す中で、たまたま知り合った定年退職後で暇な毎日をおくっていた元警察官の吉澤が加わることで奇妙な関係性が構築され、そこにコミカル要素も加わる。

この吉澤を演じる國村隼が観客の目線となることで、日本人から見た奈良に住む中国人や残留孤児の疑問点を、私たちの代わりインタビューしていくナビゲーター的役割を果たしていて、ドキュメンタリー的な側面も持ち合わせた作品だと言えるだろう。

ほのぼのとした語口の中に、戦争が残していったものが人々の心の中や世界に散らばっているという現実も浮き彫りにしていく。

謎解き様相がないこともないし、 独特の距離感のある3人のロードムービーとしても楽しめる要素はあるが、 劇映画としては、盛り上がりにかけるため、退屈になることもしばしば……。

2022年2月4日全国公開・1月28日奈良県先行上映

点数 72

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