作品情報
1960年代、若い学者たちが前人未到のカラブリアの洞窟を探索。地下700mまで到達した。この事実をあたかもドキュメンタリーのように再現した作品。撮影は名手レナート・ベルタ。
『洞窟』レビュー
1960年代、カラブリアの洞窟を探索する若者たちの姿を、ほとんどセリフなしのドキュメンタリー風タッチに、ただただひたすら映し出す。
とにかく人の行動や、セリフではない、ぼそっと口にする聴き取りづらい会話を拾いながら、状況を理解していく行為がまどろっこしいと思うのであれば、かなりの拷問映画かもしれない。
同じ東京国際映画祭選出の作品の中でいうなら、『牛』も同様であるが、かなり根気を必要となってくる。テレビであればチャンネルを変えるかもしれない。
撮影はレナード・ベルタということで、観る人が観れば、評価できる部分は大いにあるようだが、一般受けという点では絶望的な作品だ。
しかし、こう考えてはどうだろうか。これはひとつの瞑想映画であると。普段は見ない、見ようともしない光景を見続けることで、自分を見つめ直すことができるかもしれない。
『ディセント』や『地獄の変異』のように、地底人のようなものが現れるわけでもないし、 「水曜スペシャル 川口浩 探検シリーズ」 や 「藤岡弘探検シリーズ」 のように、ごきげんなナレーションと、仕掛けられた毒虫や大蛇が飛び出すような演出があるわけではない。
ただ、本当にひたすら、洞窟を進んでいくだけ……
ヴェネチア国際映画祭で三冠に輝いたらしいが、よくもまあ、もの好きがいたものだと思ってしまうというか、こういった作品を理解できないといけないというバイアスがかかっているようでならない。
点数 68
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