作品情報
アカデミー賞受賞女優アンジェリーナ・ジョリーの『ソルト』以来11年ぶりのアクション映画。アンジーが人間には太刀打ちできない「大自然の脅威」と凄腕の「暗殺者」に行く手を阻まれながらも、少年を守るために戦う森林消防隊員ハンナを演じる。監督・脚本は『ボーダーライン』(2015)で初脚本を務め、監督デビュー作『ウインド・リバー』(2017)で第70回カンヌ国際映画祭ある視点部門監督賞を受賞したテイラー・シェリダン。「木を切り、火をおこす方法から教わった」と語るアンジェリーナ・ジョリーは、森林消防隊員のハンナを演じることは大自然でのサバイバルの連続だったと語る。過去に壮絶な事件を”目撃”したことで心に大きなトラウマを抱える森林消防隊員のハンナは、暗殺者による父の死を間近で“目撃”し、父が守り抜いた“秘密”のために暗殺者に追われる少年コナーとタッグを組む。背後に迫る凄腕の暗殺者、目前に立ちはだかる広大なモンタナの大自然に燃え盛る巨大な炎―2つの脅威に行く手を阻まれる極限状態で、少年を守り戦うサバイバルサスペンス。
『モンタナの目撃者』レビュー
新型コロナの同調圧力もあって、最近すごく思うのが、日本人ってすごく情報にな流れやすくいということ。これは映画の評価に関しても同様で、みんなが良いと言うものに関しては良い側に同調するし、悪いと言うものには悪い側に同調する。その大本というが、薄っぺらい感想しか言えないけど、やたらフォロワーの多いインフルエンサーだったりするからだ。
薄っぺらいインフルエンサーは、圧倒的に褒める人が多い。これは何故かというと褒める方が楽だからだ。当たり障りのないことを言えばいいだけ。逆に酷評する際には、それだけの理由付けが必要になってくるから、ちゃんと観ていないとできない。
YouTubeの映画紹介なんかを観てもすごく偏っていて、同じ作品が溢れている。配給会社も悪い評価をする場合は素材を与えなかったり、そもそもその媒体の関係者を試写に呼ばないことによって、情報が操作されている。
操作されたものではない、逆の意見を持つことは、間違った感性を持っている人間かのように錯覚してしまう。多数派の意見に同調しておいたほうが安心できるというのもあるが、はたしてそれで良いのだろうか?
今作に関してもやたら絶賛の声が多い。同調圧力が働いているのは確かで、今作がそんなに絶賛されるのはおかしい!!
まず全体的なイメージとしては、90年代や2000年代初期のような作品だということ。隕石や竜巻と比べれば、地味になってしまう森林火災を扱っていることや主人公が消防士や救助隊系ということもその印象を強めている。
いくらテイラー・シェリダンの作品だからといって、今回は複数の脚本家が参加していることもあって、非常に散らかっている。描きたいことが定まって印象も強く感じられる。
映画を製作する際に、結論が必要になってくるはずだ。
会計士とその息子が命を狙われることから、物語が展開されていくが、命を狙われる原因となる機密情報が何かがわからない。それに対して殺し屋が襲ってくるものの、その殺し屋もどこから依頼されているのかもわからない。政府関係者のような人物(タイラー・ペリー)も関わっているが、こいつも何だかよくわからない。
国家を揺るがすような情報であるような感じはするが、全体的にフワフワした情報がぐるぐる回っている状態で、結論が出ない。
逃亡中に馬と出会うシーンも謎。やたら戦闘能力の強い妊婦も謎。そもそも狙われる原因の情報が謎…こんな謎ばかり散りばめて、最終的に回収されないというのは映画的にどうなのだろうか。
ある程度の「あとはそっちで想像してくれ」的な投げ方は良いとしても、こんなに全編に渡って、ざっくりとした設定オンパレードなプロット。
こんなもので今の映画界はゴーサインを出してくれるの??
推測するに、森林火災だけでは地味になってしまうから、ボツになったスパイ映画もしくはドラマ脚本と組み合わせたのを最終的にテイラー・シェリダンが無理にまとめたのではないだろうか…そんな臭いがしておりますよ!
やたら強い妊婦が登場するのも、おもしろい要素ではあるが、映画の趣旨と違うような感じがして、これも別の映画やドラマの企画のひとつだったのではないだろうか。
例えばアンジーもそうだし、子役もそうなんだけど、手渡された情報が理解できないで、ふんわりと「何かよくわからないけど、ヤバそうな情報」という感覚で逃げ回っているとしたら、実は映画を観ている側と同じ心情だと思うことで、無理に感情移入できないこともない…
そうだとしても、娯楽映画のくせに観ている側に気を使わせないでもらいたい。
オチの衝撃は『妖怪大戦争ガーディアンズ』に通じる部分があった。
点数 68
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