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THE映画紹介『ゴーストライダー』ニコラス・ケイジ念願のアメコミ映画にカツラまで着用!!

THE映画紹介『ゴーストライダー』ニコラス・ケイジ念願のアメコミ映画にカツラまで着用!!

THE映画紹介とは?

THE映画紹介とは…劇場公開中には観れなかったもの、公開中に観たんだけれども…レビューする前にリリースされてしまったもの、単純に旧作と言われるものを独自の偏見と趣味嗜好強めに紹介するもの。

アメリカ映画、インド映画、ドイツ映画、アジア映画、アニメ、ドキュメンタリー….なんでもあり!!

今回紹介するのは『ゴーストライダー』

作品情報

マーベル・コミックの人気キャラクターをニコラス・ケイジ主演で映画化。17歳のときに病の父親を救うために悪魔メフィストに魂を売り渡したジョニー。その10数年後、30歳になったジョニーの前に再びメフィストが現れ、魂を売った代償として魔界の反逆者を捕らえるよう命じる……。監督は「デアデビル」のマーク・スティーブン・ジョンソン。共演はエバ・メンデス、ピーター・フォンダ。

『ゴーストライダー』基本情報

2007年製作/110分/アメリカ
原題:Ghost Rider

監督:『デアデビル』のマーク・スティーヴン・ジョンソン

出演:ニコラス・ケイジ、エヴァ・メンデス、ピーター・フォンダ、サム・エリオット、ウェス・ベントレー、レベル・ウィルソンほか

そもそもゴーストライダーって何?

ゴーストライダーは今まで今作の他に『エージェント・オブ・シールド』にも登場している燃えたドクロというインパクト抜群のキャラクターである。

ゴーストライダーは、今のドクロスタイルの前にMagazine Enterprisesが1949年に出版したコミックスに登場しているが、この際は馬に跨ったカウボーイスタイルのホラー要素の高い西部劇コミックであった。しかし、バイオレンスやエロティックな表現を規制するコミックス・コードが導入されたことにより、内容的にコミックス・コードに触れていたため、終了してしまった。

後にMagazine Enterprisesの権利が消滅すると、マーベル・コミックスがゴーストライダーの版権を取得し、 Magazine Enterprises版と同様にカウボーイスタイルのゴーストライダーで1967年に『Ghost Rider #1』を刊行したが、コミックス・コードの関係でホラー的な要素は廃止された。

今のドクロスタイルのゴーストライダーになったのは、1972年に『MARVEL SPOTLIGHT』#5からである。72年頃はオカルトブームであり、マーベルはこの年にドラキュラのコミックシリーズもスタートさせている。

ドクロスタイルのゴーストライダーが登場した後からは、西部劇スタイルのゴーストライダーはファントムライダーと改名されることになり、別のキュラクターとして活躍しているが、ゲーム『マーベル・アルティメット・アライアンス』の別コスチュームとして西部劇スタイルのゴーストライダーが登場している

アメコミオタクのニコラス・ケイジ

『ナショナル・トレジャー』『コン・エアー』などで知られる俳優ニコラス・ケイジはハリウッドでも知られているほどの超アメコミオタクで映画のギャラを数百万円したりするヴィンテージコミックを買うほどだ。

ニコラス・ケイジとしいう芸名もドラマ化もされたパワーマンことルーク・ケイジのケイジからとったものである。

そんなニコラス・ケイジだが、やはり願いはアメコミ映画への出演だった。ニコラス・ケイジはデビュー当時からアメコミ作品に出演を熱望しており、実際にスーパーマンのコスチュームを着てオーディションも受けているが、残念ながらその当時のスーパーマン映画の企画は流れてしまい、実現しなかった。

監督であるマーク・スティーヴン・ジョンソンもアメコミオタクであり、オタク同士で仕事をしたいという気持ちから『デアデビル』でもニコラス・ケイジに声をかけていたが、そのときはスケジュールの都合などで実現しなかった。しかし、今回『ゴーストライダー』でついにマッチングしたのだ。子どもの頃はゴーストライダーごっこで遊んでいたというほどゴーストライダーが好きであったニコラス・ケイジはかなり喜んだそうだ。

当初は『ブレイド』の監督スティーヴン・ノリントンが監督する予定であったが、スタジオの賛同がとれず、企画は止まっていたが、監督がマーク・スティーヴン・ジョンソンに決定いると、脚本は書き直されることになり、その際に最初の段階からニコラス・ケイジも脚本制作に関わっていた。

コミックオタクのこだわり映画

コミックオタクの監督マーク・スティーヴン・ジョンソンにとっては『デアデビル』に続き第2弾のアメコミ映画監督作品である。(『エレクトラ』は製作総指揮のため監督作品ではない)今回も撮影現場にはシルバーサーファーのTシャツで現れるなど、コミックオタクぶりを発揮していた監督。

やはり今回もコミックオタクであることが良くも悪くも反映された映画となっていて、キャラクターの魅せ方やエフェクトはコミックの構図などを取り入れている。

サム・エリオットが演じるケアテイカーというキャラクターは、初代である西部劇スタイルのゴーストライダーがモデルとなっているが、今のドクロスタイルに合わせたデザインに変更したことで、燃える馬に乗るというインパクト抜群の新キャラクターを完成させたのだ。

『ゴーストライダー』短評

『デアデビル』でコミックオタクアピールを映像を通して行ったマーク・スティーヴン・ジョンソンのアメコミ監督作品第2弾、『エレクトラ』の製作総指揮を含めるとアメコミ映画第3弾となるが、今作は20世紀FOXではなく、ソニー・ピクチャーズになっている。

マークはこの時に、『デアデビル』で原作ファンやスタジオのプレッシャーにどう対応するか学んだとインタビューで答えていたが、その意味は今作を観るとよく分かると思う。

確かにニコラス・ケイジも監督もアメコミオタク同士ということで、マニアック要素や好き好き要素がすごく盛り込まれているが、もう1歩という部分で踏み出せておらず、あまり勇気は感じられない作品になってしまっている。

それでも、燃えるドクロというビジュアル・インパクトは抜群でバイクのデザインもクオリティが高いが、決定的な問題点はヴィランが地味だということ。このヴィランの地味さに関しては当時のファンの間でも問題視されていた。

ゴーストライダーのヴィランと言えば、代表的なブラックハートをウェス・ベントレーが演じているが、何故か人間スタイルである。原作やゲームの『マーベルVSカプコン』を知っている人にとって、ブラックハートと言えば正にクリーチャーという感じなのだ。そんなクリーチャースタイルのブラックハートとゴーストライダーの対決となれば迫力のあるアクションシーンにできたであろうと思うが、何故ブラックハートという素材を地味なキャラクターにしてしまったのかは謎である。

一応、続編の『ゴーストライダー2』にも触れておこう。続編となる『ゴーストライダー2』は当時、金欠状態だったニコラス・ケイジがギャラの高い『ナショナル・トレジャー3』よりも選んだ作品でもある。

しかし、ヴィランが地味という前作の大きな問題点を全く改善しておらず、肝心なゴーストライダーというヒーローの見せ場も少なくなっていて、ニコラス・ケイジもカツラを着用していないため、ニコラス・ケイジのB級映画という印象の方が大きくなってしまった。

マーク・スティーヴン・ジョンソンは、続編では製作総指揮となっており、監督からは離れてしまい、コミックオタク要素も薄れてしまい、映画的魅力もアメコミ映画的魅力も全くない作品である。

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