この映画語らせて!ズバッと評論!!『カイジ ファイナルゲーム』

この映画語らせて!ズバッと評論!!『カイジ ファイナルゲーム』

作品情報

福本伸行の人気コミックを藤原竜也主演で実写映画化した「カイジ」シリーズの3作目。前作『カイジ2 人生奪回ゲーム』から9年ぶりの新作となり、原作者の福本が考案したオリジナルストーリーで、「バベルの塔」「最後の審判」「ドリームジャンプ」「ゴールドジャンケン」という4つの新しいゲームを描きながら、シリーズのフィナーレを飾る。2020年・東京オリンピックの終了を機に、国の景気は急激に失速。金のない弱者は簡単に踏み潰される世の中になっていった。派遣会社からバカにされ、少ない給料で自堕落な生活を送るカイジは、ある日、帝愛グループ企業の社長に出世した大槻と再会。大槻から、金を持て余した老人が主催する「バベルの塔」という、一獲千金のチャンスを含んだイベントの存在を知らされ……。福士蒼汰、関水渚、新田真剣佑、吉田鋼太郎らがシリーズ初参戦し、過去作からも天海祐希、松尾スズキ、生瀬勝久らが再登場。監督は過去2作と同じ佐藤東弥。

『カイジ ファイナルゲーム』レビュー

世界観の設定がめちゃくちゃでファンタジー化してしまった

前作から9年振りの映画「カイジ」シリーズにして完結編。舞台は2020年東京オリンピック終了後の日本、急激に冷えこんだ景気によって国の借金は1500兆円を超えてハイパーどころじゃないインフレでガソリンは1リットル750円、缶ビール1本1000円と物価の上昇にも歯止めがきかない。日本の企業は海外企業にどんどん買収されて、町には中国や韓国の企業の看板が並ぶという、日本の終わりのような世界観となっていて、もはやファンタジーかSF的なものになっている。

年金受給額も40%カット、生活保護廃止と徹底的に弱者を切り捨てても国の借金は減らないし、経済も回復しないということから、国民の預金口座を封鎖して、現在の紙幣を無効化させることで、そのお金で国の借金を相殺しましょうというめちゃくちゃな話で現実離れし過ぎているし、いくら何でもオリンピック後数ヶ月ぐらいのスパンで急激にそんな状態になるなんてことはあり得ないだけに、やはりファンタジーに片足を突っ込んだ内容となっているのだ。

前2作も少しファンタジー感はあったものの、現代日本の延長線上という程度だったのに、今回みたいな設定はさすがに飛びぬけすぎていて、めちゃくちゃとしか言い様がない。

ハイテンション演技ではあるが...そういうことじゃない!!

何故こんな世界観にしてしまったのかは謎だが、命をかけて大金を手にしても結局は借金取りにとられたり、持ち逃げされて相変わらず底辺の生活水準の中で派遣の仕事をしながら何とか生きているカイジのダメダメぶりは相変わらず。しかし、設定上おそらくアラフォーだと思われるだけに何となくカイジが落ち着いている。

藤原竜也も芸人のモノマネネタにされたりして恥ずかしくなっているのかは不明だが、今までみたいなハイテンションによる、まくし立てやセリフ回しがあるにはあるが、割と落ち着いていて、キレがない。同じくハイテンション演技をする 吉田鋼太郎との対決もかつての香川照之の顔芸&ハイテンション演技には、やはりかなわない。なんだろう...恥ずかしがっているのだろうか。

ビールを飲んで「悪魔的だぁ~」とか「キンキンに冷えてやがる~」ってもはや芸人ネタのように言っているのだが、「これが観たいんでしょ?」っていう、見せ掛けだけのセリフは正直要らないし、逆に寒い。

「そういうことじゃないんだよ!!」っ言いたくなるし、感覚が鈍っているのか変に社会風刺を盛り込みたかったのか不明だが、本末転倒である。もしくは私たちが藤原竜也の演技に成れてとまって、麻痺してしまったのかもしれない。

何故、9年も時間が空いたのか

そもそも何故、こんなに続編製作に時間がかかったというと、おそらく原作の問題だと思う。2作目『カイジ2 人生奪回ゲーム』で描かれた「沼編」では、Vシネの題材としか思えないパチンコという地味なネタを見事にエンターテイメントに仕上げたのだが、原作でその次に描かれているのは麻雀バトルということで、さすがに麻雀はエンターテイメントに仕立て上げるのは難易度が高すぎる。かと言って、原作は「水曜日のダウンタウン」でネタにもされているぐらい、とにかく展開が遅い。麻雀の後の帝愛の会長兵藤和尊の次男「和也編」がダラダラと続いていて、今連載中の「24億脱出編」も「和也編」から続く流れを追っている段階ということで9年間で全然進んでいないのだ。

続編があるとしたら、オリジナル作品か「和也編」のアレンジになるだろうと思っていたが、オリジナルにしてもちょっと予想外だった。

漫画ではないから、藤原竜也の年齢的に『カイジ2 人生奪回ゲーム』のすぐ後という設定にもできない。そうなると、実際の年月を映画の中の時間軸にリンクさせる必要があったため、どうしても近未来のようになってしまったのだが、もうちょっとやり様があっただろうし、ファイナルなら単純に会長と対決させてほしかった。最後のゲームが福士蒼汰が演じる高倉とのジャンケンというのは、寂しすぎる。

ファイナルと言っているが、成績がよければ続編も検討されるらしいが、せめて会長との対決は描いてほしい。個人的に「和也編」の映画化が今後映画化されることがあれば、和也役にはさまぁ~ずの大竹をキャスティングしてほしい。

点数 77点

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