第93回アカデミー賞国際長編映画賞を受賞、監督賞ノミネートを果たした『アナザーラウンド』が日本でも9月3日から公開される。
『偽りなき者』に続き、マッツ・ミケルセン主演・トマス・ヴィンターベア監督というタッグによる新作であるが、今作の制作中に悲しい出来事が起きてしまった。
それは、トマスの19歳の娘アイダが交通事故によって亡くなってしまったのだ。アイダは今作でマッツが演じるマーティンの娘役として、映画デビューを果たし、今後も女優として活動していく予定だった。
夢が叶い、新たなスタートとなるはずだった直前でのアイダの訃報は、トマスはもちろん、映画関係者全員にとって、大きすぎる衝撃であった。
一時は、映画の制作自体も白紙になるかもしれないと思われていたが、今作の制作過程において、アイダが提案した、いくつかのアイデアもストーリーに反映させていることもあって、映画の制作を予定通り開始することとなった。
主演でもあり、プライベートでも親友でもあるマッツはもちろん、映画関係者全員がアイダの死の悲しみを背負いながらも、アイダのために「映画を完成させたい」という想いから完成し映画でもある。
ちなみに学校のシーンはアイダの母校が使用されており、このシーンに登場いる生徒たちは、アイダの実際のクラスメイトたちなのだ。
トマスは、今作でアカデミー賞を受賞したが、誰よりもアイダに賞を贈りたかったのではないだろうか。
【STORY】 冴えない高校教師4人は、ノルウェー人哲学者の「血中アルコール濃度を一定の度合い保つと仕事の効率が良くなり創造力がみなぎる」という理論を証明するため実験をすることに。朝から酒を飲み続け常に酔った状態を保つと、授業も楽しくなり、生き生きとする。だが、すべての行動には結果が伴うのだった― 出演:マッツ・ミケルセン、トマス・ボー・ラーセン、マグナス・ミラン、ラース・ランゼ、マリア・ボネヴィー
監督:トマス・ヴィンターベア『偽りなき者』 2020年/デンマーク/1:2.0/5.1ch/117分/英題:ANOTHER ROUND/PG-12 ©2020 Zentropa Entertainments3 ApS, Zentropa Sweden AB, Topkapi Films B.V. & Zentropa Netherlands B.V.
9.3(FRI)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷シネクイントほか全国順次公開
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