作品情報
大学進学前の最後の夏休み、エルは人生最大の決断に直面していた。東海岸に引っ越して理想の恋人ノアと同じ大学へ行くか、それとも子どもの頃からの約束どおり、大親友のリーと同じ大学に行くか。どっちを選んでも誰かが傷つくのを知りながら、エルが選んだのは? 『キスから始まるものがたり』3部作、いよいよ最終章へ。
『キスから始まるものがたり3』レビュー
ジョーイ・キングの代表作「キスから始まるものがたり」シリーズもついに完結…
前作『キスから始まるものがたり2』の評を見てもらえればわかると思うが、このシリーズが良作なのか凡作なのかが別れてしまう大事な完結編がついに配信されてしまった。
前作も同様に、この作品はエルとリーが男女という間柄でありながら、親友であり続けることに意味がある。
だからこそ2人がカップルになってしまうと、全てが台無しになってしまうこともあって、正直言って、観るのが怖かったが、ここまできたのだから見届ける義務があるというもの。
相変わらずの全体的にティーン・コメディ的な軽いノリ全開でコーティングされている作品ではあるが、描いていることはジェンダー哲学に近い。
世間が男女のペアには、下心があるという屈折した観方がされてしまうことや、実際にその通りに流されてしまうキャラクターもいる中で、それでも友情を主張し続けられるのか、新たな概念を作り出すことができるのか…という究極の問いを扱った作品なのだ
エルとリー、ノアとクロエ、エルとマルコそれぞれの男女の概念を越えた友情が試される。徹底していたのは、リーが同じ大学に通う意気投合した同性に対しても、「友情」のパワーバランスに対しての嫉妬をエルが感じていることだ。
おそらくストレートに恋愛パートだけを描くと、ぶり返す部分が出てきていしまうこともあって、今回は大学進学を目前としたエル自身の将来や親世代のドラマを入れるなど、意図的に視点をズラしていてる部分もある。
結果としては、 相変わらずレイチェルの存在感が薄いことも含めて、なんだかそれぞれの恋愛事情に関しては、視点をずらしたこともあって、あやふやになった感じがしないでもないが、本筋の部分は裏切っていなくて、ひとまず安心といったところだ。
これ以上、続けても逆に終りが見えなくなってしまうだけに、これで完結というのは納得といったところ。
点数 79
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