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ナショナルトレジャー×スーパーナチュラルなインド映画『Bhoot Police』

ディズニーがFOXを買収したことによって、手に入れたのは20世紀FOXをはじめとする映画事業だけではない。その傘下となる動画配信サービス、ケーブル局も自動的にディズニーのものとなったのだ。

例えば「Hulu」(日本)の場合は経営権を日本テレビが所有していることもあって、連携が上手くいってないのだが、アメリカの場合は完全にディズニー傘下として、「Disney+」とのパック料金もあったりする。

「Disney+」はあくまでファミリー層向けのコンテンツを配信することを徹底しているため、その枠に収まらない作品に関しては「Hulu」で配信することで互いの弱点を補っている。

「Hulu」が世界展開されていないため、「Hulu」の作品が国によって、様々な配信サービスに散らばってしまっている状況。

そこでFOX買収で手に入れた衛星放送局「Star」を活用することになった。「Star」はアジア圏を中心に展開されており、そこに「Disney+」をブッキングすることでディズニーだけではなく、様々なコンテンツを視聴することが可能となったのだ。

日本も「Stars Play」として、一部のHuluオリジナル・ドラマの受け皿とされていることもあるなど、国によって、なかなか複雑な状況ではある。

この状況は、実は「Star」にとってもメリットが大きく、「Disney+」がブッキングされていることで、ファミリー層を多く取込むことができているのだ。

インドにおいても「Hotstar」として、インド映画含め海外の映画やドラマ、アニメなどを多く配信している中で、「Disney+」という後ろ盾が加わったことで、オリジナル作品にも前向きになっている。

今では「Disney+ Hotstar」として展開されているが、インドにおいて、「Netflix」と同様にグローバリズムを向上させる効果もみせている。

「Disney+」や「Star」しか展開されていない国では、それぞれで「Hotstar」の作品を配信することも可能となったのだ。

もしくは、日本における『パーム・スプリングス』『リトル・モンスターズ』のように劇場公開される場合もある。

「Hotstar」のオリジナル作品は、ファミリー層も大人も楽しめるような、ディズニーで例えるなら「ブエナビタ」のような中間的なものが多いのも、そういった背景があるからだろう。

ミス・ユニバース2006のスリランカ代表としても知られるジャクリーン・フェルナンデス、ヤミー・ガウタムといった国際的に知名度のある女優を起用し、超常現象事件を解決に導く『スーパーナチュラル』と『ナショナルトレジャー』のような、謎解きありのアクションアドベンチャーの要素を兼ね備えた作品『Bhoot Police』もその象徴的な「Disney+ Hotstar」のオリジナル作品として9月17日に配信される。

一方、アメリカではそれに先駆けて9月10日より一部の劇場で英語吹替え版が公開されることが決定していることもあって、狙い通りに事が運んだようだ。

変に世界市場を意識しすぎて、ステレオタイプなインドイメージを逆に自国から発信してしまった『チェンナイ・エクスプレス』や、インド色を感じさせないアクション映画に仕上げてしまった『チェイス!』のように、インド映画としてどう世界市場にアプローチをかけるかと試行錯誤してきたことと、動画配信サービスの急激な発展が後押しして、もちろん作品によって差はあるものの、自国色を出しつつ、世界市場も意識した、独特のバランスに落ち着いてきたかのように思える。

日本公開または配信は全くの未定であるが、勢いを増してきている世界市場を意識したインド映画というのは、いつまでも無視してはいられないはず。

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