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この映画語らせて!ズバッと評論!!(先取り版)『スパイラル:ソウ オールリセット』直接的な後継者ではなく、「ジグソウ」が作り出した概念と戦うことに?!

この映画語らせて!ズバッと評論!!(先取り版)『スパイラル:ソウ オールリセット』直接的な後継者ではなく、「ジグソウ」が作り出した概念と戦うことに?!

作品情報

誕生から 17 年。スリラー映画『ソウ』シリーズは常に世界観を拡大し、映画ファンを絶叫と熱狂の嵐に巻き込み続けた。そして、2021 年。過去 8 作をアップデート&リセットした《完全なる新章》が誕生!!“ソウフリーク”として知られるクリス・ロック、さらには怪優サミュエル・L・ジャクソンも参戦!監督を務めるのは『ソウ 2~4』のダーレン・リン・バウズマン。J・ワン&L・ワネルが創造した原点『ソウ』の世界観を拡張した“育ての親”が、再びシリーズの再構築を成し遂げた!シリーズを愛し、知り尽くす製作陣が創造したジグソウを凌駕する猟奇犯とは?彼が仕掛ける凄惨で新しいゲームとは?いま、『ソウ』シリーズを鮮烈に、過激にリセットする。地下鉄の線路上。舌を固定され、宙吊りの男。舌を引き抜いて生きるか、ぶらさがったまま死ぬか?猛スピードの電車が轟音を立てて迫り、やがて無残にも男の体は四散する。それはジグソウを凌駕する猟奇犯が仕掛けた、新たなゲームの始まりだった――。ターゲットは《全て警察官》。不気味な渦巻模様と青い箱が、捜査にあたるジークと相棒ウィリアムを挑発する。やがて、伝説的刑事でありジークの父・マーカスまでもが姿を消し、追い詰められていくジーク。ゲームは追うほどに過激さを増し、戦慄のクライマックスが待ち受ける。

先取り版とは?

私、映画評論家バフィーがマスコミ試写で、いち早く観て評論する先取り版です。通常回では、公開日もしくは前後に更新していますが、毎週10本以上の新作を観ていて、量が多く大渋滞状態ということもあって、先取りもしていきます。

ダメな作品はダメと言いますが、基本的にネタバレを垂れ流して、映画自体を観なくてもいいような評論はしません。

『スパイラル:ソウ オールリセット』レビュー

©2020 Lions Gate Films Inc. All Rights Reserved.

「ソウ」シリーズがついにリブート?!っていうか『ジグソウ:ソウ・レガシー』があったじゃない!って思うかもしれないが、『ジグソウ:ソウ・レガシー』は直接的にジグソウが関わって繋がっていったものとすると、今回は思想・概念的なものとしての側面が強い。

世界観的には、別世界という設定ではなく、過去にジョン・クレイマーこと「ジグソウ」の事件があったことは、世間的に知られていることで、「ソウ」シリーズ、『ジグソウ:ソウ・レガシー 』に共通する部分として、法律では裁けない、法律があるからこそ裁けない者は、ゲームによって裁く、代償を払えば許しを得て、生き延びることもできる。という部分は大まかなルールとして定着している中で、後継者や模倣犯が存在している。

ジグソウの信者が出入りする闇サイトなどによって、拡散され続けた結果の、象徴のようなものと戦うことになるというわけだ。あえてジグソウのパペットに似せてないで、直接的にジグソウも語られないところもそういった意味だろう。

すでに汚職警官が周りを囲んでいる環境下にいる主人公は、モラルが迷子になっている状態で、どう判断するかが、今作の見所でもある。

エリック、ホフマン、ストラム、ハロランなど、警察関係者が関与や巻き込まれるケースも多く、今回も警察内部を描いている。警察という存在を中心に置くことで、市民の味方であるはずの警察が腐敗していて、それを裁いている者を警察が裁く資格があるのか…という、シリーズを通してのテーマが、より強い形で浮き彫りにされていたのではないだろうか。

バディを組んで捜査をしていることや、登場アイテムなどに、1作目のオマージュがあったりして、製作総指揮も務めたクリス・ロックのシリーズに対してのリスペクトも伝わってくる。

「ソウ」シリーズは、奇抜なゲーム性やゴア描写に目がいきがちなのだが、実は社会問題を扱っていることが多くて、今回と同様に、警察や権力の腐敗を描きながら、『ソウ6』では、アメリカの保険制度にもメスを入れてみせた。

「ジグソウ」によって作られ、共感者によって拡散された、概念が、新たな「裁き」のサイクルを生み出し続けているということで「スパイラル」という意味だと思われる。

スタイリッシュ・スリラーを期待していると、少し期待はずれな部分はあるかもしれないし、犯人もすぐわかってしまうことなど、そとつの作品として脇が甘い部分があるのだが、これが新シリーズ1作目とするのであれば、これはこれでアリな導入作品となっている。

だからこそ、作るなら作るで早くやってもらいたいところだし、次をどう展開させていくかにもよってくるが、「ソウ」には、ドラマシリーズ化の企画も進められていて、製作のライオンズゲートは『ジョン・ウィック』や『アメリカンサイコ』といった、映画作品のドラマ化を多く企画しているだけに、Disney+やHBO Maxのような、ドラマとのリンクによるユニバースの拡大も視野に入れている可能性も高く、今後の「ソウ」の行く末がどうなっていくかも興味が絶えないところだ。

CREDIT

©2020 Lions Gate Films Inc. All Rights Reserved.

出演:クリス・ロック マックス・ミンゲラ マリソル・ニコルズ and サミュエル・L・ジャクソン
監督:ダーレン・リン・バウズマン(『ソウ 2』『ソウ 3』『ソウ 4』)
脚本:ジョシュ・ストールバーグ ピーター・ゴールドフィンガー(『ジグソウ:ソウ・レガシー』『ピラニア3D』)
製作:オーレン・クールズ マーク・バーグ(『ソウ』シリーズ)
製作総指揮:ダニエル・ジェイソン・ヘフナー クリス・ロック ジェームズ・ワン リー・ワネル、ステイシー・テストロ ジェイソン・コンスタンティン グレッグ・ホフマン、ケヴィン・グルタート
撮影監督:ジョーダン・オラム
プロダクション・デザイナー:アンソニー・カウリー
編集:デヴ・シン
音楽:チャーリー・クロウザー(『ソウ』シリーズ)
衣装デザイン:ローラ・モンゴメリー

原題:SPIRAL: From the Book of Saw/2019 年/アメリカ/93 分/シネマスコープ/5.1ch サラウンド/字幕翻訳:松浦美奈
提供:アスミック・エース/ポニーキャニオン 配給:アスミック・エース
https://spiral.asmik-ace.co.jp/
公式 Twitter: @Spiral_movie_JP
©2020 Lions Gate Films Inc. All Rights Reserved.

9月10日より全国ロードショー!

©2020 Lions Gate Films Inc. All Rights Reserved.

点数 79

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