THE映画紹介とは?
THE映画紹介とは…劇場公開中には観れなかったもの、公開中に観たんだけれども…レビューする前にリリースされてしまったもの、単純に旧作と言われるものを独自の偏見と趣味嗜好強めに紹介するもの。
アメリカ映画、インド映画、ドイツ映画、アジア映画、アニメ、ドキュメンタリー….なんでもあり!!
今回紹介するのは『クリッシュ』
作品情報
シャー・ルク・カーンとディーピカー・パードゥコーンの『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』に続き、2度目の共演作品にして、世界市場を視野に入れた超大作。タミル・ナードゥのある南インドに繋がるチェンナイ・エクスプレスに乗ったラーフル。たまたま手助けしたミーナと、家出したミーナを追ってきたミーナの父の手下たちと出会ったことで、途中下車するはずが、思わぬトラブルに巻き込まれいく。ラーフルとミーナは行動を共にするうちに、互いに惹かれていくようになるのだが…。
『クリッシュ』基本情報
2013年製作/145分/インド
原題: Krrish3
監督: 『君を探してた』 ラーケーシュ・ローシャン
出演 :
『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』『WAR ウォー!!』リティク・ローシャン
『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』『マトリックス4』プリヤンカー・チョープラー
『ピンク』『華麗なるギャッツビー』アミターブ・バッチャン(ナレーション)
『マニカルニカ ジャーンシーの女王』『クイーン 旅立つわたしのハネムーン』カンガナー・ラーナーウト
短評
実は今作『君を探してた』『クリッシュ 仮面のヒーロー』に続くシリーズ3作目であり、原題は『 Krrish3』とかなりややこしいが、全てリティク・ローシャン主演であり、2作目以降は1人2役を演じている。
監督を務めるのは、ラーケーシュ・ローシャン。リティクの実の父親であり、特に今作で描かれるのは、親子愛、そして次の世代へといったラーケーシュがリティクに託したインド映画の未来を感じさせるテイストとなっている。
当時の構想としては、3部作となっており、今作が完結編となるが、ハリウッドでのヒーロー映画ヒットに便乗して、4作目の製作が決定した。
残念ながら日本では3作目がイベント上映され、その後ソフトリリースされたものの、前2作もかなり限定的にしか公開されていないのだが、それぞれ違ったテイストの作品に仕上がっている。
1作目はエイリアンとの友情を描いたSF作品であり、2作目はヒーローの誕生、そして3作目の今作には、やっとヒーローのヴィランらしいヴィランがやっと登場する。
インドでもマーベルやDCコミックスの映画作品がヒットしていることもあって、ヒーロー映画基盤がすでに出来上がっていることもあって、ストレートなヒーロー映画にシフトさせたのだろう。
今作は動物の能力を持ったミュータントとの対決で、ボスはマグニートーのような磁力を操る能力を持っていて、ベースとしては、どう考えても「X-MEN」シリーズ。
同じ2013年に公開されているが『マン・オブ・スティール』は1月公開、今作は11月公開。さすがボリウッド!仕事が早いということで、ビルが大量に破壊される最終決戦は『マン・オブ・スティール』を明らかに意識している。
ただ、これパクりではなくて、リスペクトという感じなのだろう。日本の漫画も元を辿っていくと、特にジャンプ作品なんて、アメコミヒーローがベースにあるものが多い。
近年はアメコミ映画ブームや画像検索の進歩によって、バレる前にオマージュしていることが公表される場合も多くなってきたが、『るろうに剣心』なんかを観ても、相当なアメコミネタが入っていて、それは映画版にも反映されているものの、アメコミらしさについて触れるメディアはあまりない。
急激な成長を遂げているインドの映画業界ではあるが、今作のVFXは、まだ少しチープに感じてしまうが、近年のアクション映画を観る限りは、次回はVFXとしても、それなりに見応えのある作品になって帰ってくるのではないだろうか
2作目から登場しているプリヤンカー・チョープラーもすっかりアメリカの映画俳優になりつつあるということもあって、今作が最後の出演となるのは悲しいところではあるが、4作目には、インドでは有名な元子役俳優のナマン・ジャインがキャスティングされているということを考えると、今作のラストの展開からしても、次回も世代交代になりそうな...
リティク・ローシャンの筋肉はどうなってしまっているのか...人間の体と思えないほど、完璧に仕上がった肉体がチラチラ見えて、そんなに見せたいならクリッシュのスーツをもっと露出度の高いものにしたらいいのに。
ミュージカル・シーンとしても、なかなかきわどい演出があったり...ある程度は子供向けでもあるはずなのに、バランス的にはとっ散らかっていることは間違いない!!
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