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アメリカ占領下の沖縄で行われた「サンマ裁判」を追ったドキュメンタリー映画『サンマデモクラシー』

アメリカ占領下の沖縄で行われた「サンマ裁判」を追ったドキュメンタリー映画『サンマデモクラシー』

沖縄テレビ放送開局60周年記念ドキュメンタリー映画『ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記』が2020年に劇場公開されたことで、全国に知れ渡った沖縄テレビブランドのドキュメンタリー。

そして、2021年にも沖縄テレビのドキュメンタリー作品が劇場公開されることになった。

もともとは劇場公開用として製作されたものではなく、地上でも2020年に放送された作品だが、反響と内容のインパクトによって劇場公開が決定。劇場版では地上波放送版よりもロングバージョンとなっている。

舞台となるのは、1972年に沖縄本土が返還される前のアメリカ占領下の1963年。当時、沖縄の人々が食べていたサンマには、輸入関税がかけられていたが、実は1958年に公布された関税がかかると指定された魚の項目には、サンマは含まれていなかった。

本来は関税がかからない魚に人々は支払っていたこを知った、魚卸業を営んでいた玉城ウシは、琉球政府を相手に課税されたであろう、当時の貨幣価値にして約7000万円の還付を求め、琉球政府を相手取り、裁判を起こしたのが「サンマ裁判」

「サンマ裁判」はサンマのことだけに限らず、のちに抑制された不平等で理不尽な生活状況から脱却すべく、人々が立ち上がるきっかけのひとつともなったものでありながら、当時の「サンマ裁判」についての記憶が薄れがちな沖縄の人々やそれ以外の日本の人々に向けて制作されたドキュメンタリーである。

内容をただ、淡々と説明していくような、オーソドックスなドキュメンタリーではなく、お笑い芸人や落語家も参加することで、エンターテイメント色も強めるのとで、堅苦しいかもしれないという抵抗もなく、沖縄の歴史を知ることができる作品に仕上がっているのだ。

7月17日よりポレポレ東中野ほか全国順次公開、7月3日から沖縄・桜坂劇場にて先行上映。

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