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この映画語らせて!ズバッと評論!!(先取り版)『唐人街探偵 東京MISSION』テレビ局資本エンタメのようなものが外国からやってきたら日本人はどう反応するのか?!

この映画語らせて!ズバッと評論!!(先取り版)『唐人街探偵 東京MISSION』テレビ局資本エンタメのようなものが外国からやってきたら日本人はどう反応するのか?!

作品情報

世界を席巻した“探偵チーム“が東京を舞台に大暴れ!
国際的に事件を解決してきたチャイナタウンの探偵コンビ、タン・レン(ワン・バオチャン)とチン・フォン (リウ・ハオラン)は、日本の探偵・野田昊のだひろし(妻夫木聡)から難事件解決への協力を依頼され、東京に飛ぶ。
今回のミッションは、東南アジアのマフィアの会長の密室殺人事件で、犯人として起訴されたヤクザの組長・渡辺勝(三浦友和)の冤罪証明。タイの探偵で元刑事のジャック・ジャー(トニー・ジャー)も参加し解決を試みるが、殺された会長の秘書である小林杏奈(長澤まさみ)が何者かに誘拐される事件が発生。そこに事件
解決率 100%を誇るエリート警視正・田中直己(浅野忠信)、謎の指名手配犯・村田昭(染谷将太)も絡み、事件は複雑化。さらに、世界の探偵が愛用するアプリ「CRIMASTERクライマスター」の事件解決率世界ランキングに載る探偵たちが、このニュースを聞いて東京に集結。探偵世界ランキング・第 1 位で正体不明の「Q」の登場により、さらなる混乱が巻き起こる——。

先取り版とは?

私、映画評論家バフィーがマスコミ試写でいち早く観て評論する先取り版です。通常回では、公開日もしくは前後に更新していますが、毎週10本以上の新作を観ていることもあって、量が多く大渋滞状態ということもあって、先取りもしていきます。

ダメな作品はダメと言いますが、基本的にネタバレを垂れ流して、映画自体を観なくてもいいような評論はしません。

『唐人街探偵 東京MISSION』レビュー

©WANDA MEDIA CO.,LTD. AS ONE PICTURES(BEIJING)CO.,LTD.CHINA FILM CO.,LTD
“DETECTIVE CHINATOWN3”

今作、実はシリーズ3作目。映画との間にテレビシリーズもあったりして、中国では国民的人気のシリーズということが背景にあり、中国においては、初登場の週末ランキング成績1位であった『アベンジャーズ/エンドゲーム』を抜き、2021年6月時点では歴代1位となっている作品。

かつて「踊る大捜査線」劇場版第2作『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』のコメディ部分をそぎ落としたインターナショナル版『踊る大捜査線 BAYSIDE SHAKEDOWN 2』で海外マーケットに売込みをかけたが…酷いものだった。

しかし、これは作品の質どうこうの問題ではなく、そもそもの知名度の問題である。

『踊る大捜査線』はアメリカでは、テレビシリーズは放送されておらず(マニアックなケーブル局の場合は不明)、劇場版の第1弾も公開されていないという状態。そもそも日本の刑事ドラマや警察を扱った映画自体がほとんど輸入されていない状況で、逆によく挑戦したと思ってしまうほど。

今作を100%楽しむには、前劇場版2作とテレビシリーズを観ておいた方がいいのだが、残念ながら日本には『僕はチャイナタウンの名探偵』というタイトルでアジア系映画上映企画等でしか、上映されていないこともあって、日本から見れば、『踊る大捜査線』のスタンスに似ているのかもしれない…

中国や台湾に関しては、近年でも『コンフィデンスマンJP』や『マスカレード・ホテル』といった、日本のテレビ局資本系映画がヒットすることも多いだけに、逆パターンを狙ったのかもしれないが、日本は中国エンタメに対しての熱量が比例してないからな…

劇中で説明されていないのに、突然現れ、サポートしてくれるキャラクター達の数々に戸惑ってしまう。知っていれば、もっと楽しめるのだろうけど…そういう点は本当に残念。

お隣の国の中国映画ということもあって、日本描写は、ヤクザやどこにあるのかわからない和風色の強いものが出てはくるが、比較的、現代の日本に近い。

やっぱり「秋葉原が中心なんだなぁ~」と中国から見た日本のイメージがサブカルチャー色強めなことを改めて感じるものの、『燃えよデブゴン TOKYO MISSION』みたく、セットで作った閉鎖空間のカオス東京ではないし、コロナ禍だったというのに、何気にロケも東京だけではなく、名古屋や横浜、姫路と11都道府県で撮影を行っている(全部東京近辺の設定ではあるが)

2作目から引き続き出演している妻夫木聡に加え、長澤まさみ、浅野忠信といった中国だけではなく、日本でも知名度の高い俳優をキャステイングしていて、サブキャラクターとしても長井短や三浦友和らが出演していて、日本なのに、極端に中国人キャストが多いという、別世界のような状況にもなっていない。

肉体派俳優であるトニー・ジャーが驚くべきことに、お笑い担当なのが新鮮だし、恐ろしいことに『ちびまる子ちゃん』のコスプレをするシーンまである。トニー・ジャーってこんな汚れ役でしたっけ??意外な一面が観れてしまうだけでも価値がある…と言っていいのだろうか。

日本のテレビ局資本映画のようなものが外側から入ってきたとしたら、日本人は1本の作品として受け入れることができるのだろうか…といった疑問を投げかけられるようでもある。

CREDIT

©WANDA MEDIA CO.,LTD. AS ONE PICTURES(BEIJING)CO.,LTD.CHINA FILM CO.,LTD
“DETECTIVE CHINATOWN3”

出演:ワン・バオチャン、リウ・ハオラン、妻夫木聡、トニー・ジャー、長澤まさみ、染谷将太、鈴木保奈美、奥田瑛二 浅野忠信 シャン・ユーシエン 三浦友和
監督・脚本:チェン・スーチェン
提供:Open Culture Entertainment アスミック・エース
©WANDA MEDIA CO.,LTD. AS ONE PICTURES(BEIJING)CO.,LTD.CHINA FILM CO.,LTD “DETECTIVE
CHINATOWN3”
配給:アスミック・エース
公式 HP: detectivechinatown-movie.asmik-ace.co.jp
公式 twitter:@TGtantei_movie

2021 年 7 月 9 日(金) 日本緊急公開!

点数 77

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