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この映画語らせて!ズバッと評論!!『ジャーニー 太古アラビア半島での奇跡と戦いの物語』日本とサウジの共同製作ではあるが資本と決定権は圧倒的にサウジ側!!

この映画語らせて!ズバッと評論!!『ジャーニー 太古アラビア半島での奇跡と戦いの物語』日本とサウジの共同製作ではあるが資本と決定権は圧倒的にサウジ側!!

作品情報

サウジアラビアのアニメ制作会社マンガプロダクションズと、日本の東映アニメーションがタッグを組んだ長編アニメーションが完成。古代のアラビア半島を舞台に、主人公アウスが過酷な運命に立ち向かい、自分と仲間たちを信じる力で未来を切り開いていく姿を、ヒューマンドラマとアクションにあふれたエンターテイメントとして描き出した。
制作は、東京とリヤドの両都市で行われた。映画の基本構成とコンセプトを手掛けたのは、マンガプロダクションズ。プロデューサー、アーティスト、作家のチームは、アラビア半島の文化と信念を作品の中核へと反映させた。それを受け、世界に通じるハイクオリティな映像を東映アニメーションが制作した。
監督は、劇場版『名探偵コナン』シリーズで知られるヒットメーカーの静野孔文。また、脚本を『劇場版ONE PIECE STAMPEDE』の冨岡淳広、キャラクターデザインはゲーム「逆転裁判」シリーズで人気を集めた岩元辰郎、音楽制作は『犬夜叉』などで知られる和田薫。人が人として生きていくためには何が必要なのか。人間性から生まれる信念の力こそ、希望をもたらすものではないのか。本作はそのことを、アウスの生き様を通して世界の人々に訴えかける。

『ジャーニー 太古アラビア半島での奇跡と戦いの物語 』レビュー

サウジアラビアでは、皇太子が日本のアニメやゲーム好きということもあって、2020年には『ザ・キング・オブ・ファイターズ』『サムライスピリッツ』などでお馴染みのSNKを約200億円で買収したのも記憶に新しいし、日本の漫画やアニメを集めた「サウジアニメエキスポ 」というのが開催されてはいるほど。

イタリアでは『鋼鉄ジーグ』がヒットしたことで『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ 』という映画が製作されたり、インドでは『忍者ハットリくん』がヒットして、インドオリジナル続編が製作されたほど、日本のアニメは時として海外で爆発的に人気になることが多く、サウジでは『UFOロボグレンダイザー』が過去にヒットしていた。

しかし、幅広い日本アニメに興味を持っている人というのは、ある程度の生活に余裕があるようにも思える。逆に言えばお金持ちのマニアが多く、自分が参加したいと意識が強いようにも感じられる。

今作はサウジにある「マンガプロダクションズ」というアニメやゲームといった、サブカルチャーコンテンツ制作会社の立案によって、東映アニメーションと共同製作された作品ではあるが、決定権としても資本的な割合としても、おそらくサウジ側が強いのだろう。

日本側に構成の決定権があるとしたら、なかなかこのテイストでは作らないのではないだろうか。つまり宗教ネタがふんだんに盛り込まれているのだ。

東映は宗教絡みという点では、「幸福の科学」のアニメ映画も多く手掛けており、資本と企画を同時に持ち込むとゴーサインが出やすいのかもしれない。

今作も非常に宗教色の強い作品に仕上がっており、目的もサウジの国民に向けた宗教教育としての側面が強い。 「幸福の科学」の場合は、信者が家族や友人にチケットをばらまいていることもあって、週間ランキングに入ることもあったりするが、そういった裏工作をしてくれるような後ろ盾がないこともあって、 日本市場でのヒットはなかなか難しいと言うしかない。

かと言って、観ていられないような内容かと言えば、全然そんなことはなくて、『バーフバリ』のような、一種の歴史エンターテイメントとして、ある程度のまとまり感はあるし、さすが東映アニメーションということもあって、王道的なストーリーラインは保たれている。ただ…宗教色が強いだけ。

どうしても中東の映画というと、身構えてしまうところが、アニメでしかも東映製アニメという、私たちが日ごろ、見慣れたものによって、サウジの文化を知るきっかけとして、ライトな感覚で観る分にはよいのではないだろうか。

CREDIT

【監督】静野孔文/【脚本】冨岡淳広 / 【音楽】和田薫
【キャラクター原案】岩元辰郎
【エグゼクティブプロデューサー】 Dr. Essam Bukhary 、清水慎治
エスパーバイジングプロデューサー】 木戸睦、Sara Mohammad
【脚本原案】Dr. Essam Bukhary、Peter Cooper、Dr Amr Almaddan
【美術監督】渡邊洋一、宮野隆、川松由典(株式会社典樹)
【アソシエイトアートディレクター】
Sara Mohammad Mohammed Aldhafeeri Farah Arif
【色彩設定】糸川敬子/【撮影監督】荻原猛夫、泉津井陽
【編集】吉武将人/【音響監督】明田川口)
【アニメーションプロデューサー】 大上裕真/プロデューサー】平澤直
【アソシエイトプロデューサー】 安倍依里、Noor Ajaki、安部幸枝
【宣伝プロデューサー】 泉谷裕
【製作】マンガプロダクションズ、東映アニメーション
【制作】 マンガプロダクションズ、東映アニメーション、横浜アニメーション
ラボ、アーチ
【配給】東映アニメーション
【配給協力】東映
【宣伝】東映エージェンシー、Ⓒ2021 マンガプロダクションズ

アウス:古谷徹
ズララ:神谷浩史
ニザール:中村悠一
ムサブ :中井和哉
ヒンド:三石琴乃
アブラハ:黒田崇矢

公式ホームページ : https://journey.toeiad.co.jp/index.php/

点数 72

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