この映画語らせて!ズバッと評論!!『生理ちゃん』

この映画語らせて!ズバッと評論!!『生理ちゃん』

作品情報

女性の生理をポップに擬人化し、多くの共感を呼んだ小山健の短編コミック「生理ちゃん」を、『翔んで埼玉』『人間失格 太宰治と3人の女たち』の二階堂ふみ主演で実写映画化。あまね出版の編集部で働く米田青子は、仕事もプライベートも充実した毎日を送っていた。そんな青子の恋人・久保勇輔は2年前に妻を亡くしており、1人娘のかりんと暮らしている。11歳のかりんは同年代の女の子よりも少しマセていて、亡くなったお母さんのことをとても大切に思っている。ある日、青子のもとに月に1回のものがやって来て……。共演は『今日も嫌がらせ弁当』『電車男』の岡田義徳、『家族ごっこ』『一週間フレンズ。』の伊藤沙莉ら。

『生理ちゃん 』レビュー

原作も男、監督も男、脚本も男が描く生理の物語

小山健原作の漫画「生理ちゃん」をまさかの実写化した作品だが、原作者が男というのにも驚きだが、映画版では監督も脚本も男という、女性特有の「生理」というものを扱った作品としては異例の状態ではないだろうか。

そもそも女性にのみ起こる「生理」というものを男性がちゃんと描くことが可能なのかということも疑問ではあるが、擬人化された「生理ちゃん」という存在があることでオブラート的要素となっていて、本当の「生理」という現象に直球では目がいかなくなっていることもあって、エピソードとしては弱いが女性だけに見える「ドラえもん」の様なキャラクターが登場する映画としては、楽しく観ることはできる。

二階堂ふみや伊藤沙莉と生理ちゃんのツーショットはシュールであって、不気味なディティールなのにも関わらず可愛らしくも見えてくるし、この映画の二階堂ふみは何故だか、穏やかないい顔している。

ただ、個人個人で他の人には見えない存在して描かれているはずなのに、生理ちゃんは女性であれば他の生理ちゃんも見えている様な描写があったり、意思疎通ができて、メタ的な会話できてしまっていたりと設定のブレが所々にある。

性欲くんと童貞くんは概念がブレるから必要ない

生理ちゃんの他にも性欲くんと童貞くんが登場するのだが、世界観的概念がよく分からない。生理ちゃんは月一で女性にやってくるもので拒めないものとして描かれているが、性欲くんはともかく、童貞くんに関しては対象物が別ではないだろうか。

生理的現象が擬人化されているのだとしたら、それだと食欲しんや物欲くんなどもいないとおかしくなってくるし、童貞くんが許されるならバージンちゃんもいないのがおかしい。

このあやふやな概念や世界観は男性が描いている決定的な証拠ではないだろうか。生理自体を下の問題と考えているから、対象物として性欲くんや童貞くんが対象物として登場してくるのではないだろうか。

性欲くんと童貞くんの存在さえなければ、ちょっと薄いエピソードでもキャラもの映画として楽しく観れただけに残念だった。

個人的な解釈で言うと、男がセックスをしようとしたけど、生理中でできないってエピソードを本当は入れたかったが、そのエピソードを入れると男性目線によって描かれたものになってしまうために、入れなかったのにも関わらず性欲くんと童貞くんが存在していることで中途半端になってしまっている。

男性の考える生理と女性の考える生理からの男女の価値観の違いを描くことは、ある意味この作品の核となる部分ではあると思っていたのだが、その役割をパワハラ上司に全て任せてしまったのは物足りない。

生理の擬人化というキャラクター的なファースト・インパクトだけでゆる~く楽しむ作品なのだろうが、どうしても男性作者と生理というものを扱っている作品という情報が観るものの想像を拡大させてしまう。

映画ではなくて、ショートアニメなら難しいこと忘れて楽しめると思う。

点数 77点

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