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日本カルチャーとゲーム好きが作った様なドラマ『デイブレイク~世界が終わったその先で~』

日本カルチャーとゲーム好きが作った様なドラマ『デイブレイク~世界が終わったその先で~』
https://youtu.be/Ima05Sz-15A

突然、核爆発が起きて大人はドロドロに溶けたかゾンビ(グーリー)化、動物は突然変異でミュータントになってしまった世界の直後を描いたブライアン・ラルフのグラフィックノベルを原作としたNetflixオリジナル・コメディ・ホラードラマ『デイブレイク ~世界が終わったその先で~』全10話がついに10月24日から配信開始された。

主人公のジョシュ役には『キャプテン・マーベル』のコリン・フォード、サム役には2019年から日本のディズニー・チャンネルでも放送が開始された『ザ・ロッジ』のソフィー・シムネット、『アトランタ』『Booksmart』のオースティン・クルート、『子連れじゃダメかしら?』のアリビア・アリン・リンド、クランブル役には『SMASH』のクリスタ・ロドリゲス、校長役には『プロデューサーズ』のマシュー・ブロデリックなど。

このドラマ全10話を観て強く感じることは、明らかに作り手がサブ・カルチャー好きであることが強調されており、劇中でもジョシュが「『グランド・セフト・オート』の様な世界になった」というセリフがある通り、その設定を持ち込んでおり、生き残った者たちはグループを結成し、縄張りを作っているということになっている。

ショッピングモールのシーンは映画『ゾンビ』というよりはゲームの『デッド・ライジング』を感じさせるし、オープンワールドな世界観を映画に持ち込んだ臭がプンプンしてくる。

その中には『マッドマックス』みたいな(劇中でもイジられている)グループやゲーマーグループ、ギークグループ、女子だけのグループなどなど…劇中に名前しか登場しないグループもいる。

主人公のジョシュはそんなグループに属しておらず、彼女だったサム・ディーン(『スーパーナチュラル』の2人からとったであろう) を探しながらどこにも属さず生活を送っていたが、サムを探す途中でかつてベビーシッターをしたことがあったアンジェリカといじめらた経験のあったウェスリーと出会い、ショッピングモールでイーライとも出会うことになるが、守らないといけなくなるから足手まといになるということで他人と行動を共にすることを避けてきたが次第に仲間が増えていくという、孤独な青年の成長というティーン向けドラマ要素も詰め込まれている。

登場キャラクターが観ている側に話しかけてくる第4の壁の設定を巧みに使って、回想シーンや時間的に描くことのできなかったであろうストーリーの穴をうまく埋めてくれていて、その点はディズニー・チャンネルのドラマの様なテイストも兼ね備えていて、やはりティーン向けドラマ感があるものの、圧倒的に違うのは残酷な死に方を表に映し出していること。

物語自体はティーン・コメディのテイストを保っていながら、『ウォーキング・デッド』のように世界の終末感も持続している点では新感覚と言える作品だろう。

普通の家のはずなのに、あきらかに製作者の私物であろうストリートファイターやタートルズ、ナルト、グリーンランタン、ヒーマン、G.I.ジョーなどのフィギュアがところどころに登場する。

その他にもマジック:ザ・ギャザリングやポケモンカードネタが出てきたりと…何故こんなにサブカルネタ満載なのかと思ったら、『Ultimate X-Men』シリーズのアメコミライターでドラマ『HEROES』も手掛けたアーロン・イーライ・コリートが製作に関わっていることで妙に納得させられた。 アーロン・イーライ・コリートの趣味思考がおもいっきり反映されている。

第5話ではウェスリーの物語として、劇中に日本語が登場してくる。侍が好きと言いながら一番好きな映画は『燃えよ!ドラゴン』と言う。ジャッキー・チェンが主演したリメイク版『ベスト・キッド』はおもいっきり、その間違いを反映させた映画で原題が「カラテキッド」なのに、やっているのはカンフーという、外国人が日本の空手とカンフーを同じだという120%間違った考えを全面に堂々と打ち出してしまった映画があったため、このドラマも「またか…」と思ったら、なんとこのドラマでは、その間違いを訂正するセリフがあって、外国人が空手とカンフーを間違えている点や日本映画と中国映画が頭の中で混ざってしまっている問題にも言及していて、これは上級者の日本通ヲタクが関わっていること間違いなし!!

魔女と呼ばれるクランブルはジョシュたちが通う高校の先生で核爆発の影響からグーリーになるものの、他のグーリーとは異なる特殊な存在で以前の記憶が時々フラッシュバックし、時には知性を感じさせる発言をすることから、人間に戻る方法を探すために奮闘する様子も描かれており、その手助けをするアンジェリカとの友情も物語も作品の見どころのひとつ。ちなみにクランブルを演じているクリスタ・ロドリゲスはミュージカル・ドラマ『SMASH』やブロードウェイ・ミュージカル『アダムスファミリー』にも出演していることでこのドラマでも歌うシーンがある。

マシュー・ブロデリックが演じる校長はクランブルと同様にグーリーになりつつも意識を保っていて、第10話では謎の進化も遂げる。校長の進化の件もそうだが、まだまだ多くの謎を残しているため、シーズン2の製作も期待できる作品だ

個人的にはイーライ役 グレゴリー・カシヤンがマイリー・サイラスに凄く似ていて、姉弟なのかと思ったら…全くの赤の他人ということに驚いた!!

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