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この映画語らせて!ズバッと評論!!『僕のワンダフル・ジャーニー』成長したCJがなかなかのポンコツ人間に!!

この映画語らせて!ズバッと評論!!『僕のワンダフル・ジャーニー』成長したCJがなかなかのポンコツ人間に!!

作品情報

愛する飼い主に再び会うため転生を繰り返す犬の姿を描いた『僕のワンダフル・ライフ』の続編。前作で50年で3度生まれ変わり、最愛の飼い主イーサンとの再会を果たした犬のベイリーがたどる、さらなる生まれ変わりの旅路を描く。イーサンと再会したベイリーは、イーサンと彼の妻ハンナらとともに農場で幸せな日々を送っていた。しかし、ある時、イーサンの孫娘CJが、母親のグロリアに連れられて農場を出て行ってしまう。悲しむイーサンとハンナの姿を見たベイリーは、次の生まれ変わりでCJを見つけ出し、どんな犠牲を払っても彼女を守ることを誓う。前作のラッセ・ハルストレム監督は今作では製作総指揮を務め、テレビシリーズ『モダン・ファミリー』『フレンズ』などを手がけたゲイル・マンキューソが新たにメガホンをとった。

『僕のワンダフル・ジャーニー 』レビュー

ラッセ・ハルストレムの意思を継いだ正当続編

前作『僕のワンダフル・ライフ』で監督を務めた、ラッセ・ハルストレムは製作総指揮にまわり、『フレンズ』や『モダン・ファミリー』などのシットコムを手掛けてきたゲイル・マンキューソが監督を担当。ちなみに『フレンズ』が劇中で映るのは監督つながりだろう。

実は今回の続編には不安があった。というのも前作がよくできた作品だったからだ。前作の監督であるラッセ・ハルストレムは犬に演技をさせることが天才的な監督で、人間を通して犬を描くのではなく、犬を通して人間を描くということを見事にやってのけている作品だったからである。

しかし、今回のゲイル・マンキューソもラッセ・ハルストレムの意思を継いでいて、犬を通して人間を描くということに成功している。最終的に小型犬となるベイリーだが、このミスマッチさがイーサンがベイリーだと気づくプロセスへの感動を倍増させていて、やっぱりイーサンとベイリーの物語だったのだと実感させられる。

あえて言うなら、生まれ変わった環境から、CJとの関わりがあまりないビッグ・ドッグの時の人生をもう少し丁寧に描いてくれてもよかったと思う。前作はイーサンと離れていた時期も別の人間との絆がしっかり描かれていただけに、その点は残念だった。

最終的な舞台は2030-40年代の近未来??

都合よく、アメリカでしかもご近所に生まれ変るということは置いといて…今回のベイリーはイーサンの孫のCJを助けるために更に3回転生するというもので、一作目でベイリーがイーサンのもとに来たのが1961年ということもあり、イーサンが最終的に80~90歳まで生きたとすると、時系列的には最終的2030-2040年代が舞台の近未来となっている。

さすがに次回があるとしたら2050年、2060年…とありえないタイムライン作品になってしまうため、ベイリーの物語は今回が最後だろう。

イーサンとベイリーの長い長い旅も終わりを迎えるという演出には涙が止まらなくなる。犬と人間の絆を感じさせる名シーンだろう。

もし次回作があるとすれば、別の犬が主人公になるに違いないのだが、次回作は個人的に作らない方がいいと思う。

というのもベイリー以外の犬は犬同士であっても意思疎通ができないということ。ベイリーは特別な存在で選ばれた犬だということなのだろう。続編で別の犬が同じことをしていたらベイリーの価値が下がってしまう気がするからだ。

CJの音楽の方向性がはっきりしない…

人前で歌ったこともないのにも関わらず漠然とニューヨークに行けば、都会に行けばどうにかなるだろう~っていう考えが甘すぎる自称シンガーソングライターのCJだが、言ってしまえば超こじらせフリーター!!

音楽を製作するシーンも2、3ワード歌っただけで終わってしまったりと、同じ音楽業界を目指している人が観たら、なかなかのイラつかせキャラクターになってしまっている。

吹替え版ではCJに根本的問題が発生!!

ファミリー向けムービーという位置づけになっているため、字幕よりも吹替え版の上映館の方が比較的に多いし、劇場によっては吹替え版しか公開されていないから、吹替えで観る人の方が多いと思うのだが、オリジナルの作品の質にもダメージを与えてるのが「吹替え版」だ。

近年でベスト1の酷い吹替えだと言っていいと思う。

特に歌唱シーンの吹替えが酷すぎる…CJは歌手を目指しているということもあり、ところどころ歌うシーンがあるのだが、歌の吹替えが下手すぎて、才能ないから歌手なんてやめろと言いたくなる。

人前で歌うことに抵抗のあるCJが勇気をふりしぼって、舞台に立つというシーンが吹替えが酷すぎることから台無しになっていて、作品のクオリティを一気に下げる結果となっている。

歌唱シーンだけは英語音声を使うわけにはいかなかったのだろうか…

実はジョニー・ガレッキが出演していた?

観終わった後に出演者情報を見て驚いたのが、残念なことに最終回を迎えた人気ドラマ『ビックバン・セオリー』のレナード役でおなじみのジョニー・ガレッキが出演していたらしい。

全然気づかなかっただけに、メインキャラクターではないと思うが、『ビッグバン・セオリー』ファンとしては気がつかなかったことが悔しい。

グロリアの彼氏の一人だろうか…

点数 77点

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