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コラム:Netflixのファミリー向けコンテンツ充実によって、ディズニーユーザー横取り作戦決行中!!

コラム:Netflixのファミリー向けコンテンツ充実によって、ディズニーユーザー横取り作戦決行中!!

12月にNetflixで配信開始された『ジュリー&ファントムズ』がどうもディズニー臭がすると思った人はいないだろうか。それもそのはずで、手掛けたのは『ハイスクール・ミュージカル』『ディセンダント』のケニー・オルテガなのだ。

ケニー・オルテガを引き込んだのは、かなり大胆な行動である。というのもケニー・オルテガの長編初監督作品『ニュージーズ』から、30年以上に渡って、ディズニーとの繋がりが強いクリエイターだからである。

そんなケニー・オルテガを独占契約で引き込んで、Netflixで明らかにディズニー・チャンネルで放送されるような作品を制作したというのは、喧嘩を売っているとしか言い様がなく、ケニー・オルテガ自身も、流石にこの後でディズニー側に戻ることは難しい状況にあると思われる。

実際にCEOのリード・ヘイスティングスはインタビューで「ディズニーにファミリー向けコンテンツで勝ちたい」とも答えており、Netflixのディズニー+に対するライバル心は本物である。

日本と一部の国では、ディズニーは配信されていなかったが、アメリカのNetflixでは、ディズニー作品の配信を行っていた。しかし、Disney+の誕生によって、ディズニー作品の配信権は完全に奪われてしまったのだ。

ファミリー向けコンテンツをある程度、ディズニー作品の配信によって補っていたNetflixにとって、ファミリー層が奪われると危険視したことは言うまでもなく、2018年頃から急いでティーン向けコンテンツを充実させようとしていた傾向が作品から伝わってくる。

かつてのディズニー・チャンネルスターのヴァネッサ・ハジェンズを起用した「スイッチング・プリンセス」シリーズや『クリスマス・ナイト』に加え、『ディセンダント』のソフィア・カーソンも引き込んで『フィール・ザ・ビート』を制作している。

『ジングル・ジャングル 魔法のクリスマスギフト』や『ベビー・シッターズ・クラブ』などディズニー臭の強い作品も次々と制作していて、『ザ・プロム』や今後制作される『マチルダ・ザ・ミュージカル』などのミュージカル作品の充実も目指している。

これはかつてワーナーがヒラリー・ダフやセレーナ・ゴメスなどのディズニースターを横取りして「シンデレラ・ストーリー」シリーズを制作していた流れに似ているが、今回はかなり本格的な喧嘩というか戦争だ。

更には、新たな動画配信サービス Paramount+では、親会社が同じテレビ局ニコロデオンのドラマ『iCarly(アイ・カーリー)』のリブートが決定しており、ニコロデオンといえば「スポンジ・ボブ」シリーズを所有している会社でもある。

新型コロナウイルスの影響で劇場公開が流れてしまった、『スポンジ・ボブ: スポンジ・オン・ザ・ラン』を一部の国を除き、独占配信しているNetflixではあるが、Paramount+ 誕生後は、それも難しい可能性が高い。

Huluもそうだが、ある程度のコンテンツを大手の作品に頼っていた動画配信サービスは、映画会社やテレビ局の直属動画配信サービスによって、自社作品の独占配信権を振りかざされてしまうと、自社でファミリー向けコンテンツの製作が余儀なくされることも予想し、2018年頃からNetflixは先手に出たものと思われる。

新型コロナウイルスによって、公開できず宙に浮いている作品をどこが独占配信するかという問題も発生もしていて、今後激化されていく動画配信戦争は、どこに向かっていくのだろうか。

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