作品情報
画家のマリアンヌはブルターニュの貴婦人から、娘のエロイーズの見合いのための肖像画を頼まれる。しかし、エロイーズは結婚を拒んでいるため、見合いのための肖像画と知れば、拒まれてしまう。そこでマリアンヌは身分を隠し、エロイーズに近づき、肖像画を完成させたのだが、エロイーズに事実を知られてしまい…。監督は『トムボーイ』『水の中のつぼみ』などで知られ、ストップモーションアニメ『ぼくの名前はズッキーニ』の脚本も務めるなど、多方面で活躍をみせる女性監督セリーヌ・シアマ。出演は『愛しすぎた男 37年の疑惑/ニースの疑惑 カジノ令嬢失踪事件』『BPM ビート・パー・ミニット』など目力抜群の演技派女優アデル・エネル、『パリの家族たち』『奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ』のノエミ・メルランなど
Buffys Movieの注目ポイント
『午後8時の訪問者』『ディアスキン 鹿革の殺人鬼』『ブルーム・オブ・イエスタディ』などで知られるフランスの女優アデル・エネルがまだ新人時代に出演した映画『水の中のつぼみ』を監督していたセリーヌ・シアマの作品に11年ぶりに出演することでも話題となった作品。
カンヌでは脚本賞を受賞し、ゴールデン・グローブ賞と英国アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた国際的にも評価の高い作品である。
ある画家とそのモデルとの間に芽生える禁断の関係。画家としての使命感から絵を完成させようとするが、絵が完成するということは、同時に別れも意味しているという複雑な心境にあるマリアンヌを演じるのがアデル・エネルだ。
同性愛という概念は、紀元前からあったと言われるものの、最近になってようやく緩和されてきものの、今作の舞台となる18世紀のフランスでは、まだまだ理解されず、病気やまやかしだとされていて、許されない恋であった。
『水の中のつぼみ』『トムボーイ』でも同性愛について触れていたセリーヌ・シアマだが、何故これほどまでに繊細でアート性の高い作品を作り出すことができるかというと、彼女自身が同性愛者であるからなのだ。だからこその繊細な心の揺れ動きを捉えることができるのである。
更に撮影監督を務めるのは『黒いスーツを着た男』『モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由』などのクレール・マトン。自然や島の風景そりものが絵画的に映し出されることで、画家であるマリアンヌの心情にもリンクしていくのだ。今作ではその功績が認められセザール賞撮影賞を受賞した。
映画『燃ゆる女の肖像』は、2020年12月4日から全国順次公開予定
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