作品情報
ディズニー・チャンネルで放送されていたヒラリー・ダフ主演ドラマ『リジー&Lizzie』の最終回直後を描いた劇場版。中学校を卒業したばかりの女の子リジー・マグワイアは、高校入学を前に、クラスの仲間たちとローマへ卒業旅行にやって来た。街を散策していた彼女は、イタリア人の青年に声をかけられる。彼はイタリアで人気のポップ・デュオのひとりパオロだった。なんとリジーはパオロのパートナーであるイザベラに瓜二つだったのだ。そこでパオロは、喧嘩して海外旅行に行ってしまったイザベラの代役をリジーに頼むのだが…。
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知名度の問題で劇場公開は断念
映画のテーマソングとしても使用されている通り、ヒラリー・ダフの本格歌手活動スタートした時期と重なっており、日本のメディアでもヒラリー・ダフが紹介されることは少なくはなく、ブリトニー・スピアーズやバックストリート・ボーイズなどの影響もあり、日本でのアメリカンポップ人気の絶頂期であったが、テレビシリーズ自体の知名度がなかったのが原因で当初ディズニーの公式ホームページの公開予定にもラインナップされていたが断念されることになった。
テレビシリーズはディズニー・チャンネルで放送されていたが、この映画の公開時期においては、日本での開局がまだ浅く、ディズニー・チャンネルの存在を知る人が極端に少なかったことでヒラリー・ダフは知られていても作品自体の知名度が極端に低かったのだ。
のちに同じくディズニー・チャンネルのドラマ『ハンナ・モンタナ』は3Dコンサートと映画版が日本でも少数ながら劇場公開されたが、これは地上波のNHKが放送していたことによる影響が大きいとみられる。
親友ミランダがスケジュールの都合で不在
ミランダ役のラレインのスケジュールの都合でテレビシリーズの最終回付近と映画への出演がなくなってしまったため、今までのリジー、ミランダ、ゴードの3人トリオの物語がベースとなっていた。
テレビドラマでなんとなく描かれていたのは、リジーはイーサンに憧れてはいるものの、実はゴートが好きかもしれない、ゴードはリジーが好き、ミランダはゴードが好きという三角関係だったのに対して、映画版ではミランダが離脱してしまっているために作品自体の核的部分が最初から崩壊してしまっている。
劇中ではミランダはメキシコに家族旅行しているという設定にされているが、卒業式&卒業旅行時期を狙って家族旅行に行っているというのも苦しすぎる言い訳だ。
ミランダは作品の中でムードメーカー担当ということもあって、ミランダの不在は作品の方向性にも多いに影響を与えてしまっているに違いない。
犬猿の仲だったケイトとの和解?
ケイトと言えばスクールカースト上層階の人間ではあるが、かつてはリジーと親友だったという過去もあるキャラクター。
テレビシリーズではリジーをいじめたり、やり返されたりと犬猿の仲であったが、今回で一時的?に和解することになる。
迷っているリジーを後押しし、サボートしてくれるというポジションにもなっていて、ミランダがもともと担当するパートだったものがケイトに変更されている感じがしてならないがこのミスマッチさは逆におもしろい部分でもある。
ちなみにテレビシリーズではリジーの憧れの存在だったイーサンは、がっつり登場するが憧れということが嘘のように空気の様に扱われている。
この人知ってる?アレックス・ボースタイン
リジー達をまとめる旅行コーディネーターとして登場するこの女性…当時、コント番組『MAD TV』のレギュラーでもあったアレックス・ボースタイン。
『テッド』や『キス&キル』などにも出演するコメディ女優でこの作品内でもやたらと目立っており、テレビシリーズではメインキャラクターであったイーサンよりも全然目立っている。
2017年からスタートしたドラマで日本でもAmazonプライムで観ることが可能な『マーベラス・ミセス・メイゼル』ではメインキャラクターとして出演している他、ドラマ『シェイムレス』では脚本家としても活躍している。
まとめ
本格的に歌手活動もスタート、ディズニー系以外の映画やドラマにも積極的に出演が決定するなどまさに順風満帆と言う時期の作品であり、ヒラリー・ダフの分岐点ともなっている。
典型的なティーン・ムービーではあるが”卒業”もテーマとなっており、同時にヒラリーのディズー・チャンネルからの卒業作品ともなっているのた。
ちなみにリジーが高校生活を描く続編ドラマも企画されていたが、残念ながら実現はしなかった。
その後、ヒラリーは数多くの映画やドラマに出演、姉のヘイリー・ダフがバーターとして付きまとうことを酷評された時期を経て、今では結婚も離婚も妊娠も経験した立派な女性となった。
最新作で『The Haunting of Sharon Tate』では、カルト集団であったマンソン・ファミリーに殺害されてしまった女優のシャロン・テートを演じている。
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