作品情報
傲慢な新聞社のオーナーに立ち向かう新聞少年たち“ニュースボーイズ”による1899年のストライキをモデルとして描くディズニー製作のミュージカル映画。 新聞少年たちのリーダーとして立ち上がるジャックを演じるのは、当時18歳で『バイス』『フォードVSフェラーリ』などでもお馴染みの名優クリスチャン・ベイル。共演には『ダンスレボリューション』『サンキュー、ボーイズ』のデヴィッド・モスコー、『サンキュー、スモーキング』『ロスト・マネー 偽りの報酬』のロバート・デュヴァル、『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』『レッド・スカイ』ビル・プルマンなど。音楽を担当するのは『美女と野獣』『アラジン』などディズニーのヒットソングを多く手掛けてきたアラン・メンケン。
発掘!未公開映画研究所とは?
宗教性の問題、出演者の知名度、お笑いの感覚の違い…などなどの理由によって、日本では公開にいたらない作品が多く存在する。アカデミー賞にノミネートされている作品でも未公開作品は多い。
それもそうだろう、逆にアメリカやフランスで日本の映画が何でも公開されていると言えばそんなわけもなく、全体的に見て1割にも満たないだろう。
日本はそんな中でも割と海外の作品を公開している珍しい国であって、そんな中でもやっぱり公開されない映画というのは山のように存在する。
「発掘!未公開映画研究所」はそんな映画を発掘していくというもので、その中でも更に知名度が低いものを扱っていくつもりだが、必ずしも良作ばかりではない、中には内容がひど過ぎて公開できなかったものもあるのでご注意を!!
今回紹介するのは『ニュージーズ』
短評
1992年に公開されたディズニー製ミュージカル映画ではあるが、ラジー賞にノミネートされ、興行的に大失敗した為、日本では劇場公開されずビデオスルーとなったが、主演を務めたクリスチャン・ベイルが俳優として有名になったことや、監督のケニー・オルテガがヒット作『ハイスクール・ミュージカル』に注目が集まったことで、過去作も再注目されることになったおかげで2011年には舞台化もされるほどになった。
当時、マドンナやマイケル・ジャクソンのPVや『ザナドゥ』『ダーティ・ダンシング』などの振付をしていたケニー・オルテガにとっては、初長編監督作品となるが、その後もディズニーとはズブズブな関係で、70歳となった今でも『ディセンダント』などの若者向けミュージカル作品を製作している。
全体的に踊りやノリの軽さなどは、『ハイスクール・ミュージカル』に通じる部分はあり、話の内容としては、なかなか深刻なものである。
1899年のニューヨークで起きた新聞少年たちによるストライキをモデルとしており、何等かの理由で親を失ってしまった子供達のホームレス問題を解決する名目ではありながら、新聞社の奴隷のような扱いをして、その構造から抜け出せない過酷な労働条件下の子供達を描いているのにも関わらず、なんとなく軽々しく描いている様な部分が低評価の要因かもしれない。
しかし、重いテーマもポップに変換してしまうのが魅力でもあるのがミュージカルだ。『ヘアスプレー』『メンフィス』『ヘアー』などでも数々の社会問題を扱ってきている。
良くも悪くも、今となっては名優と言われるまで成長を遂げたクリスチャン・ベイルが歌って踊った映画というのは、おそらく今作しかないため、その点では貴重な作品だ。何故その後にクリスチャン・ベイルがミュージカルに出ない理由は今作を観てもらえれば、なんとなく理解できるのではないだろうか。
- ネットもSNSも遮断されたインドの全寮制女子高を舞台に、少女たちは”自分”とは何者なのかに葛藤する!!『女子高生は泣かない』
- 第96回アカデミー賞:映画評論家バフィー吉川の最終受賞予想!事実上『オッペンハイマー』のひとり勝ち状態か?!
- インド音楽界の歴史が動いた!22年ぶりのメジャーガールズユニット”W.i.S.H.”誕生!K-POPに次ぐ世界市場を狙う!!
- この映画語らせて!ズバッと評論!!『マダム・ウェブ』始まらないドラマのプロローグを観ているような感覚になるが、若手女優たちが唯一の救い!!
- 【ちょこっとレビュー】地域復興ムービーとして応援したい気持ちを裏切るほど中途半端な主人公像『レディ加賀』
コメントを書く