作品情報
ジョン・トラボルタが映画オタクのストーカーを演じるスリラー。ハリウッド大通りでパフォーマーをしながら、さえない毎日を送っている映画オタクのムース。そんな彼の夢は、熱狂的なファンである人気俳優ハンター・ダンバーからサインをもらうことだった。しかし、ようやく念願かなって参加したサイン会でダンバーから冷たくあしらわれたことから、ムースの愛情が歪みはじめる。ダンバーの豪邸を突き止めたムースは何度も彼に接触を試みるが、ムースを気味悪がるダンバーから激しく拒絶されてしまう。そして、ムースのダンバーへの行動が次第に暴走していき……。監督は『奇跡のロングショット』のフレッド・ダースト。
『事故物件 恐い間取り』レビュー
おっさんがおっさんをストーカーして、おっさんがおっさんの歯ブラシを舐めるという…違った意味の恐怖シーンが連続する作品。
ハリウッドが舞台となっているのだが、その中でも割と地味なところを舞台としていて、華やかさとは程遠い、アンダーグラウンドなハリウッドを映し出している。
ターゲットにされる俳優は、ハリウッドスターといっても、そこまでの大スターではない。今で言うとニコラス・ケイジや、それこそジョン・トラボルタぐらいの落ち目な俳優と考えてた方が正しい。
本のサイン会が、ドラゴンボールのフィギュアーツやコミックがたくさん置いてある、こぢんまりとしたオタク向けショップという時点でちょっと落ち目な俳優かテレビ俳優であることが推測できる。
アメリカの俳優やコミックアーティストは、ファンとの距離が近い人が結構いたりする。特に有名なところでいうと、亡くなってしまったが「スパイダーマン
」「デアデビル」などの原作者スタン・リーだ。
ドラマ『ビッグバン・セオリー』の中で、コミックショップでサイン会をしていたスタン・リーと一緒にジェラートを食べに行くというネタがあったが、実はこういうことは起こり得るのだ。
だからこそ、ムースも極端に近い存在のように錯覚している部分もあるし、ある意味、このレベルの俳優だから、少しぐらい無理言っても大丈夫だろうという感覚があるのかもしれない。
俳優ハンター・ダンバーを演じているのが、『ファイナル・デスティネーション』以降、鳴かず飛ばずの俳優デヴォン・サワというのが何ともリアルである。
架空の俳優ではなく、デヴォン・サワ本人役でもよかった気がするし、何ならジョン・トラボルタは俳優側を演じた方がよかったのではないだろうか。
ジョン・トラボルタは最近絶不調。迷走して、異常者役をするぐらいなら、ジャンクロード・ヴァンダムの『その男ヴァンダム』や、製作予定のニコラス・ケイジが本人役の自虐的映画『The Unbearable Weight of Massive Talent』のように自虐的な映画にして、落ち目のハリウッドスターであるジョン・トラボルタがストーカーにあう話にして、中途半端なホラー映画マニアという設定ではなく、ジョン・トラボルタの映画ネタ(メジャー作からB級作品まで)を盛り込んできたら、最高の映画になった気がしないだろうか
ファンを大切にしなかった俳優が、映画オタクにストーカーされて襲われるという映画なのに、従来のトラボルタファンを困惑させるような映画に出て悲しませるのは良いのだろうか。
点数 70
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