作品情報
幸せを感じると失神してしまう男は、愛をどう見つける?喜びなどの強い感情が生じると筋肉を制御できなくなる珍しい症状を持つ、NYに住む図書館司書のチャーリー。彼は感情が動くあらゆる事象を、毎日の生活から取り除いてきた。ある日をきっかけに、美しく積極的なフランチェスカに好意を寄せられ、状況は一変。チャーリーは彼女に惹かれる気持ちを押し殺して平穏な毎日を過ごすのか、命を懸けて愛に身を委ねるのか判断をする岐路に立つ。実話に基づいたラブコメディ。 出演は『ブラックパンサー』『シャーロック』のマーティン・フリーマン、『デッドプール』『ゴッサム』のモリーナ・バッカリン、『ビッグバン・セオリー』『ブロンズ!~私の銅メダル』のメリッサ・ラウシュなど
発掘!未公開映画研究所とは?
宗教性の問題、出演者の知名度、お笑いの感覚の違い…などなどの理由によって、日本では公開にいたらない作品が多く存在する。アカデミー賞にノミネートされている作品でも未公開作品は多い。
それもそうだろう、逆にアメリカやフランスで日本の映画が何でも公開されていると言えばそんなわけもなく、全体的に見て1割にも満たないだろう。
日本はそんな中でも割と海外の作品を公開している珍しい国であって、そんな中でもやっぱり公開されない映画というのは山のように存在する。
「発掘!未公開映画研究所」はそんな映画を発掘していくというもので、その中でも更に知名度が低いものを扱っていくつもりだが、必ずしも良作ばかりではない、中には内容がひど過ぎて公開できなかったものもあるのでご注意を!!
今回紹介するのは『世界一不幸せなボクの初恋』
短評
『50回目のファースト・キス』のように疾患をもつ者の実話をベースに描いたコメディ作品。
コメディからスリラー、アクションなど幅広く活躍するイギリスの俳優マーティン・フリーマンが久しぶりに本格コメディに挑んだ作品でもある
主人公チャーリーは「幸せ」を感じてしまうと失神してしまうのだが、その「幸せ」も様々。息子を肩車する父の姿や、道で物を落としたお婆さんを助ける若者の親切、感動的な曲…でも少しくらくらしてしまうほど重症なのだ。
そんな中で出会う、美しい女性フランチェスカと恋に落ち、幸せを感じないようにデートも進めていたが、天真爛漫なフランチェスカの姿に幸せを感じずにはいられず、失神してしまい、距離をおく様になる。
それでもフランチェスカを忘れられないチャーリーが出会うのは、雰囲気が暗く、「幸せ」基準が低く、戦争や貧困といった話題にも興味をもつメリッサ・ラウシュ演じるベサニーとは、上手く関係が築けることから、ベサニーと付合うようになる。
メリッサ・ラウシュファンにとっては、ベサニーと付合っていて「幸せ」を感じられないという設定も何だか酷い気もするが、全体的にコメディ・テイストで王道のストーリーのため、安定感があって楽しめる作品。
何が別の作品と違うかという点では、やはりキャストを楽しむということに限るのではないだろうか。
冒頭の結婚式のシーンでは、10秒ほどではあるがジャッキー・セイデンやサブリナ・スローンの姿も映る。サブリナ・スローンとは、『スパークル』のジョーダン・スパークスが優勝した『アメリカン・アイドル』シーズン6でベスト24に残った人物であるが、その後、舞台やテレビドラマなどに出演していた。ミュージカル『ハミルトン』にも出演しており、Disney+で7月から配信される映画版にも出演している。
メリッサ・ラウシュによる「ゾンビ」
メリッサ・ラウシュファンであれば、今作で最も注目すべき点は、メリッサがチェロで名曲「ゾンビ」を熱唱するシーンだ。何度もカバーされ、『ピッチ・パーフェクト ラストステージ』でもルビー・ローズが歌っていたことが記憶に新しい、「ザ・クランベリーズ」の名曲「ゾンビ」だが、ここまで印象的なカバーは聴いたことがない!
演出的に上手くはない(おそらくワザと音程をずらして音痴にみせている)のだが、下手でありながら、ソウルフルに感じさせるという絶妙なアレンジは見事!!
映画界では、まだ評価されていないかもしれないが、ここまで様々なキャラクターを別人にみせる演技は正にカメレオン女優と言っても過言ではない。作品に恵まれればアカデミー賞も狙えるのではないだろうか。
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